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「さっきあんなこと言ったのはね、化けて出てきてくれたら、いつでも会えるって思ったんだ。
いなくなっても来てくれるなんて嬉しいじゃん?
じいちゃんとばあちゃんだったらさ、恨みでもお礼でもなんでもいいんだよ。
私のこと、恨みきれないよ」
幽霊が恨んでいなくても毎日枕元に立てるのかは疑問だ。
だけど、みさきは祖父母の体がなくなってしまっても毎日会いたいと強く思っている、ということがわかった。
私は衝撃を覚えた。ただただ義父母への強い愛しか伝わってこない。
娘から出た言葉は、ラブソングの歌詞のようだった。
この子はいつからこんなことを考えるようになっていたんだろう。
「ねーねー、母さん。天国から地獄に呼び出しの放送とかしてもらえるのかな?」
【了】
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