銀杏の光は永遠に ~秋山ヴィオラは、窓際でまどろむⅢ

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 大好きな先生へ  先生。いきなりキスしちゃってごめんなさい。  先生は許されない関係だって強く止めてくれていたのに。応忍の先生と結婚するって言ってくれてたのに。目の前で見たら我慢できなくなっちゃった。  教頭先生は「君の気持ちは理解できるが、外には出せない」とおっしゃいました。お固い私立校ですから、私のような恋が祝福される日が来るには時間がかかりそうです。  私は退学します。でも禁断の愛と知って先生を愛したことを後悔していません。  秋を黄金に染める葉はすべて燃やされる運命です。だけど銀杏は悲しみません。次の春に青い葉を芽吹き、新しい歩みを始めるから。  この手紙を先生が目にしないのなら、この場所にある限り、次の若葉の未来を優しく見守ってください。  すべての恋人が、幸せになりますように。  すべての障害を乗り越える、永遠の愛を。  先生を心から愛する光瑠より
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