新たな世界

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新たな世界

「う、うーん。」 そうして、目が覚める。 何があった?俺は確か… 家を出ていって、女の子を見つけて、 トラックに… そうだ!トラック! 俺はトラックに引かれて死んだはずだ! じゃあここはどこなんだ? そう思い、周りを間渡すと、そこには果てしない森が続いていた。 「あ、あれ?俺一応都会育ちで近くに森なんてないはずなんだけど?」 頭のハテナマークが更に増える。 ここはどこなんだ?っと。 「う、うーんとりあえず…」 そう言って俺は体を起こそうとする。 だが、次の瞬間、 「あ、あの大丈夫ですか?」 「ひゃぁ!!?」 きゅ、急に後ろから声をかけられ、変な声が出てしまった。 誰かとその声の方向を見ると、そこには茶色い髪に、茶色い目をした1人の少女が居た。 その少女は同情の声と、怯えの目をしていた。 「あの、ここで倒れてたから、運ぼうと思ったけど力が無くて、だから看病に薬草を取って来たんですけど…」 あっ、この子優しい子だ。 「驚かせちゃってごめん、俺は影也直人(かげや なおと)、実はここに迷い込んじゃって。」 「そうだったんですね、私はメリア・カリスこの辺りで冒険者をしているものです。」 ん?今この子はなんと言った? 俺の耳か頭が狂っていないのなら、確かに冒険者と聞こえたんだが?しかもこの子、日本人とは思えないような名前をしている気が… 「もしかして、冒険者をご存知ないのですか?」 俺の顔を見て察してくれたのかその子はそんな質問を投げかける。 「申し訳ないのですが、ご存知ないですね…」 とりあえず、正直に答えることにした。 「そうなのですね、それでは簡単に。」 するとどうやら彼女は冒険者について説明してくれるらしい。 「この場所では、一般的な職業に冒険者というものがあり、冒険者は街の殆どにある冒険者ギルドから登録できます。」 「冒険者は、E、F、C、B、A、Sに分けられ、EとFは街のお手伝いや、薬草などの収集をメインにし、C、Bは小型の魔物、中型の魔物討伐を担当し、AとSは大型の魔物や、魔物の群れを討伐することがほとんどです。」 「私はまだFなので、今回は薬の材料になる、『ヒーラ草』(ひーらそう)の収集をしていたんです。」 なるほど、話を聞いて実感出来たが、 ここ、異世界だな。間違いなく。 なるほど、なるほど。 アニメとかで良くあるパターンだ。トラックかなんかで異世界に飛ばされ、そこで楽しい生活をしていくという感じだろう。 1つ足り無いものがあるとしたなら、普通はあるはずのぶっ壊れチート能力が無い所か。 だが、なるほど。こんなこともあるのか。 人生捨てたものじゃないな。となると、なにか特別な魔法とかでも使えるのだろうか? 「あ、あの、どうかしました?」 「あっ、いや、なんでもない。けどなるほどな、大体分かった、ありがとう。」 「はい、大丈夫です。あっ、噂をすればちょうど魔物が居ますね。」 「えっ?」 そんなことを言われ、素っ頓狂な声で「」が指をさした方を見るとそこには1匹の小さな狼がこっちを睨んでいた。 「へっ?あれは?」 「あれはウッドウルフの子供ですね。見る限り、私達を獲物だと思っているらしいです。」 そう言うとカリスは、どこからか、ショートソードを取り出し、俺の前に立った。少女の後ろには、剣の鞘があった。そこに入れてたのか。 「安心してください。確かにウッドウルフはC級以上が討伐対象ですが、奴はまだ子供、子供なら農民でも追い返せます。」 カリスはそう言いつつも、決して油断せずに構える。 「グルルルル!」 そうして、警戒しているウッドウルフに向かって… 「とりゃあ!!」 そう言って地を蹴り、剣を縦に降る。 その攻撃はウッドウルフには当たらなかったが、怯えさせるのには充分だった様で、ウッドウルフは背を向け、 「クゥーン」 と声を上げて逃げてっ行った。 「ふぅ…もう大丈夫だよ。」 そう言ってカリスは剣を鞘にしまいながら戻ってきた。 「ありがとうございます。助かりました。」 とりあえず礼を言っておく。 そうすると、 「えぇ、それより、この後私の村に戻るので、貴方も一緒に来ますか?」 そんな有難い提案をしてもらったのだった。 しばらくして、俺はカリスが言っていた村に来ていた。 街と言わないのはそれほど大きくないからだろう。 村の名はリーサス村。 いわゆる田舎村と言うやつだが、このような所にも冒険者ギルドはあるらしい。 俺はカリスと一緒に冒険者ギルドに行ってみることにするのだった。 «カランカラン!» 扉を開くなり、そんな音が聞こえてくる。 ここは冒険者ギルド。 外見だけ見たら、どちらかと言うと小さな協会のようなイメージだったが、中に入ってみると、そこは座る席などは無いが、アニメなどで見る酒場のような場所で、厳ついおっさんなどがお酒片手に話していた。 そんな中、カリスは従業員と話し始める。 あの従業員は位置的に、受付人だろう。それじゃあ依頼の受付や、報酬の配布などをしてるのだろうか? そんな事を考えていると、カリスの第一声は抗議だった。 「ちょっと!ホルスの森林手前を探索してたら、ウッドウルフの子供が出てきたんだけど!あそこは魔物が居ないから、薬草の収集にはもってこいなんじゃないの!?」 あら、ずいぶんと声を荒らげてる。 まぁ、よく見たら足がまだ震えてるところから、彼女も相当ビビっていたんだろう。 俺と違って彼女は魔物と正面からぶつかりあったし。 「すみません!あそこは駆除対象の筈なのですが、1匹迷い込んじゃったみたいです。今国に連絡をしますので、確認次第討伐しますので。」 「まぁ…それなら別に…良いですよ。それでは、依頼されていた物を取ってきたので確認をお願いします。」 ほう、どうやら収集依頼というのは、依頼されたものを取ってくれば後はギルドの方が届けたりしてくれるのか?それならかなり便利だな。 「ありがとうございます。依頼品の確認が出来ました。こちら報酬です。」 そうして、カリスが受付人からコインのようなものを5枚ほど受け取る。見た感じあれか。 色的に銅貨と言うやつだな。 だとしたら、この世界の通貨は銅貨、銀貨、金貨とかだったりするのだろうか。 まぁ、さっきお金の件に関してはカリスのお世話になったのだが… そんな事を考えていると、カリスが俺の方に来る。 「待たせてすみません。私はこれで目的達成ですが、貴方は何かやる事はありますか?」 うーん…やる事…やる事…… あっ、そうだ! 「どうせなら、今冒険者登録とか出来ますか?」 「なるほど、冒険者になりたいのですか?」 冒険者、言葉を聞くのなら、異世界の魅力の1つだが、実際来て、魔物を見たら分かる。 ありえないくらい、怖い。 正直、さっきの魔物を見なかったら、まだ異世界という認識が出来ていなかったろうが、流石に突然鋭い牙の狼に殺意を向けられたら、異世界の認識もするというものだ。 だが、しかし… ここで生活をする上で、登録したら貰える『役職証明書』は必須だろう。 あれが無きゃ、村に入るだけでも金を取られる。 そう、お金の件で世話になったというのは、俺が村に入る時に証明書が無かったため、入場料の銅貨1枚をカリスに払ってもらったのだ。 しかも厄介な事に、この世界は言葉は一緒だが、文字が違う。冒険者や証明書を知らず、文字も書けないなんて日本だったら、どこの原始人かと馬鹿にされるレベルだ。 何とかしなくては… とりあえず、今は持ってきた30000円も使い物にならなんだから、出来るだけ、金は使いたくない。まぁ、使う金なんてないのだが。 つまり… 「はい、冒険者になろうと思っているんです。」 「そういう事なら、新たな後輩の入社ということで、ここは私が肩を持ちましょう。」 え?肩を持つってどういう… 「はい、冒険者登録料の銅貨3枚、きっちり受け取りました。登録しますので、少々お待ちください。」 泣きたい。ただでさえ、入場料を払わせてしまったのに、また借りを作ってしまった。 「そう申し訳なさそうにしないでください。これは私のお節介なので別に悪いことをしてる訳ではありません。」 なんだこの人、女神か? 世界にはこんなに優しい人も居るんだな。 そうして、しばらく経つと、さっきの受付の人が、証明書と、小さなボタンのような物を持ってきた。 「これは?」 そのボタンのような物が何か尋ねると、受付人さんが丁寧に説明してくれる。 「これは冒険者の方全員に渡される『スケアチェンカー』ですね。これを装着してボタンを押すと、ステータスを表示してくれるんです。」 へぇー、便利な物もあったもんだな。 「私ので試してみます?」 横からカリスがそう言うと、カリスの腕に同じボタンがあり、それを押すと、カリスのステータスが表示されていった。 表示されるのは、上から、 名前、その横にレベル 種族 HP MP 攻撃力 防御力 魔力 魔法防御力 素早さ という順になっている。 文字は読めなかったので、こっそりカリスに聞いた。本当にこれから俺は彼女より上の立場になることは無いと思う。 因みに、カリスのステータスはこんな感じだ。 メリア・カリス Lv2 種族︰人間 HP︰5/5 MP︰3/3 攻撃力︰2 防御力︰4 魔力︰1 魔法防御力︰2 素早さ︰4 まるで、本当のゲームみたいだし、何よりこれでその人の情報が大体分かるとは! まぁ…種族は申告制なのだが、 「こんなのがあるんですか、凄いですね。」 「まぁ、偶に強すぎたら、ハテナマークになって機能しなかったり、色々と不具合が無いことは無いんですけどね。」 へー、そんな事もあるのか、 いわゆるスカ○ター的な感じで、爆発とかするのだろうか。だとしたら怖いな。 「付ける所はどこでも構いませんよ。最悪付けなくても無くさなければ大丈夫です。」 そこら辺は以外と軽いのか。 まぁ、別に付けないメリットも無いし、付けるが。 そして俺は特に深い意味は無いが、『スケアチェンカー』を耳の裏に取り付けた。 とりあえず測ってみたところ結果は… 影也 直人 Lv1 種族︰人間 HP︰3/3 MP︰1/1 攻撃力︰1 防御力︰2 魔力︰2 魔法防御力︰1 素早さ︰1 弱い!あまりにも弱すぎる。 こんなのでは、先程の子供ウッドウルフにだって負けてしまうだろう。 「そう悲観しないでください。直人さんも今は確かに弱いですがレベルの上がりようによってどうにでもなります。」 カリスがそう励ましてくれる。 そうか…そうだな…そうだよな… この世界にはレベルがある。確かに1レベの今は弱いがいつか10レベ、100レベといった時まで弱いわけじゃない。結局は気の持ちようだ。 そうして、俺はその日、冒険者としてギルドを出る。この時の俺はまだこの世界で1レベル上げるということは、達人が次の領域へ1歩踏み出すほどに困難ということは知らないのだった。 ギルドを出た俺は村の外へと向かう。 理由はただ一つ。クエストをクリアするためだ。 俺は今のままでは野垂れ死にするだけだ。 この世界は衣食住をくれる親が居なけりゃ、 ちゃんと生活をしてる者さえ、1歩間違えれば死ぬ可能性すらある魔物がうじゃうじゃと居る。 だが、逆に考えれば、今は成長のチャンスだ。俺はこの世界で生き残れる人になる。 まずはそのための第1歩として、俺は安定した収入を得られる仕事をする! そのために俺は、普段は魔物のいない場所とされてるホルスの森林手前に、ミッションである『カント草』(かんとそう)を取りに行くのだった。 そうして、森の中に入る。 因みに我が女神であるカリス様は、 「今回の1件もあって、完全に安全とは言いきれないのでこれを使ってください。」 と言って、頑丈な皮の服と、ナイフをくれた。ついでに言うならここまで来る道のりを知るための地図もギルドから購入してくれた。 もし俺が後にチート能力が覚醒し、この世界で1番の有名人になったとしたら、彼女を神の使いとして讃えようと思う。 そんな都合の良いことなど無いのだが。 そうして、目的地に着いた俺は依頼された物を探していた。 カント草、これは毒消しの効果があり、毒を受けたところに、すり潰したこれを塗れば初級までなら治してくれると言う。 便利な物もあるもんだ、まぁ、薬くらいなら元の世界にもありそうだが。 そうして、探し始めること10分ちょっと、ようやく初めの1本を見つけた。 花の色は白、特徴的なのは葉がたんぽぽのようにギザギザな所だ。 正直他の雑草と一緒になっていると、まじで見つかり気がしない。 だが、贅沢を言っていられる場合では無いため、多少無理でも頑張るとしよう。 そう考え、目的の本数である10本をを取ろうと奮闘するのだが… 「まだまだ道のりは長いなぁ…」 そうも思うのだった。 そうして、取り終わる頃には数時間も経っていただろう。 少なくとも、空はもう真っ赤だった。 早く帰らねば。 そつ思い、帰路に着く。 カリス様がここ全体の地図を買ってくれたので、何とか帰れれはする。 まぁ、この村は地図に載るほどの大きさでも無いため、カリス様がどこに村があるのかマークをつけて教えてくれたのだが。 本当にカリスは聖人だと思う。 彼女が神の使いで、俺を生かすように指示をしていた。なんて言われても今なら信じてしまいそうだ。 とりあえず、早く帰ろう。 そこからまた、数10分歩き、村に戻り、ギルドに入るのだった。 「あのー、依頼を終わらせて来たのですが…」 俺は受付人の人に声をかける。 「把握しました。それでは、依頼品を受け取っても構いませんか?」 「はい、どうぞ。」 そう言って俺は、カント草を10本手渡すのだった。 あぁ…さよなら、俺の数時間の賜物。 「はい、依頼品の確認が出来ました。こちら報酬です。お疲れ様でした。」 そう言って受付人の人は笑顔を向けてくれる。今まで労いなんて貰えなかった俺はそれだけで泣いてしまいそうになるほど嬉しい。 まぁ、受付の人が可愛い女性だからってのもあるんだろうけどね。 そうして、報酬の銅貨7枚を貰い、俺はその場を後にした。 とりあえず、日も落ちたので、宿に向かってみる。最悪構わないが、出来るだけ野宿はしたくない。 今日の報酬で宿に泊まれるならそれがベストだろう。 そうして、俺は宿に向かったのだった。 「いらっしゃいませ、本日は宿にようこそ。」 入ってすぐに挨拶がくる。良いお店だなー。 「ここで1番安い部屋っていくらしますかね?」 とりあえず単刀直入に聞いてみよう。 「それだと、この銅貨5枚の所が1番安いですね、銅貨5枚のため、少々部屋は小さくなってしまいますが…」 「なるほど、それではそこでお願いします。」 「かしこまりました。それでは契約書にサインか、料金の先払い、どちらに致しますか?」 どうやら支払いは明日でも良いらしい。 かなり良心的だな。 だが、サイン…日本語では通じないだろう、ここは先払いにしとこう。 「それでは、先払いで。」 そう言って、俺は宿の受付人に銅貨5枚を差し出した。 「確かにお預かりしました。良い1晩をお過ごしください。」 そう言われ、俺は部屋に入ってみる。 「おぉー、狭いって言われてたけど、思ったよりも全然大きいな。」 部屋は個室くらいの広さはあり、思った以上に住みやすかった。まぁ、1番安い部屋というのもあって、やはりベット等は固かったが。 それでも銅貨5枚でこの部屋は充分と言えるだろう。 そうして、俺は横になる。 晩御飯の事も考えたが、今は食べる余裕は無いだろう。そもそも異世界に来て、1日で食に辿り着けるなんて都合が良すぎる。 まずは宿に泊まれたことに感謝だな。 ふぅ…それじゃあ今の所と今後についてまとめておこう。 まずは最初、俺は間違いなくトラックに跳ねられて死んだ。 そのあと目が覚めたら突然森に居て、既にそこは異世界だった。 なるほど分からん。 何故いきなりこんなことに? 手持ちを見る限り…金とスマホはまだあるが、スマホはもちろん圏外だし、金だってここじゃ使い物にならんだろう。 それじゃあどうするか? この世界は魔力というのもあるらしいが、とりあえずステータスを出してみよう。 影也 直人 Lv1 種族︰人間 HP︰3/3 MP︰1/1 攻撃力︰1 防御力︰2 魔力︰2 魔法防御力︰1 素早さ︰1 やはり全てにおいて弱い。 まだレベルは上がっていないし、魔力は2と攻撃力より高いのに、MPが1とか妙に噛み合っていない。厳選出来るなら、今すぐにでもやり直すレベルだろう。 「ん?なんだこれ?このステータス画面、裏返せる?」 そうして、ステータス画面を裏返した瞬間、世界が暗転する。 目を覚ますとそこには、何も無い宇宙のような空間になっていた。 「へ?ななななんだここ?俺はどうして急にこんな所に?」 『マスター聞こえておりますか?応答をお願いします。』 なんだこれ?声が直接脳内に聞こえてくる。 いわゆるテレパシーと言うやつか? 「あー…聞こえているが、ここはどこだ?アンタは誰だ?」 とりあえず戻り方も分からない俺は素直に返事をした。 『応答を確認できました。ひとまずは安心です。私はこのステルツリーの管理者であるロスと申します。』 『今回、早くもこよスケアソリーに到達したマスターに説明という名目で話させて頂いています。』 なるほど、よく分からんがこの場を説明してくれる人なのか、それならとても有難い。 「それじゃあ、早速だが説明してもらってもいいか?ここがどういう場なのか、後戻り方も。」 『はい、ここはレベルの上昇により、獲得出来る『スケア』を割り当てる場所になります。』 なるほど、スキルツリー的なものか、 となると、スケアというのは、スコアの事だろう。 レベルを上げて、貯まったスコアをスキルツリーに割り当てて、スキルを解放する。 ゲームでは、ありがちなものだ。そういう系のゲームを俺は何個かやっている。 これ系なら得意だ。 『貰えるスケアは1レベルに2スケアです。これを剣士、魔道士、僧侶、武術家など、様々な役職に割り振っていき、更にそこから、剣士でしたら、攻撃に特化するか防御に特化するか、魔道士でしたら、炎に特化するか、水に特化するなど選びます。』 なるほど、本当にスキルツリーのような考えで良いらしい。それならかなり便利なものに気付けた。 『ステータス画面は馴染み過ぎているためか、あまりよく確認する人が居ません、そのため画面をひっくり返すという簡単な方法にも気付かず、この機能を知らないまま人生を終えてしまう冒険者の方が多いのです。』 気づく人は少ないのか、でもステータスを自分の好きなようにいじれるのか… 「それなら、剣士を上げながら魔道士を上げれば、魔剣士のようなものも作れるのか?」 これ系のもので言ったら、合成ステータスなど定番だろう、魔剣士とか名前だけでかっこいいし。 『………』 そこで声が途切れる。 え?何これ?俺なんか言っちゃいけないこと言っちゃった? 「あのー…大丈夫ですか?」 『は、はい、ただ少し感心しただけです。そのような事は考えたのた事もなかったので…』 あっ、これ異世界の知識を使っちゃったやつだ。良いことなのだろうか?まぁ…大丈夫だとは思うが… 『理論上は可能だと思います。ただ、実際に行った人は見た事がないので、確信はありませんが…』 なるほど、意外と単純だと思ったが、やった人がいないのか…なら、俺が最初の魔剣士になってやろう。ようやく異世界特有のご都合展開が来たような気がするぞ! 「それじゃあ、俺が試してみる!まずレベル1のスケアは剣士と魔道士に振るよ!」 そう言うと、目の前にスキルツリーがそのまま出た、解放されてないスキルは黒く染っていて、始まりは何も無しでどうやら何も無いを解放しているため赤、そして、解放出来ないものは鍵のマークで見えない。 「それじゃあ、最初の1個目解放!」 そうして俺は、剣士のステル『攻撃力3アップ』と魔道士のステル『MP、魔力共に2アップ』を解放したのだった。 『解放お疲れ様です、戻る方法ですが、私が転送させれますので、戻りたい時に私へ話しかけてください。』 「あっ、それじゃあ早速お願い。」 『了解です。そい!』 そうして、俺は元のベットを上に戻り、その日を終えるのだった。
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