六 権力

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六 権力

 私は死ぬのがこわいのです。  ここまで積みあげた栄光を  かき集めた財を力を  どれほどの犠牲をはらってでも  この手にとどめたいのです。  私がいちばんでない世界など  世界ではありません。  しかし  その手がくさってゆく現実を  どう受けいれたらよいのでしょう?  神よ  仏よ  光りを。  どうかどうか、私を。
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