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「うさぎ」×「マヨネーズ」×「ミシン」
アルバイトで何とか食いつないでいるが、給料前はご飯にマヨネーズだ。
いったい体に良いのか悪いのかわからない。
春なのに毎日冷え込む。
古着屋のミシン屋で100円のダウンジャケットを買い、着込む。
自宅のアパートでもエアコン着けずにダウンジャケットを着ている。
内側にウサギの刺繍が有る。
何気に内ポケットを開けると、何か入っている。
取り出したら、数式選択宝くじだ。
七つの数字を選ぶやつだ。
当たりかもしれない。
早速近くの売場に行き確認してもらう。
「お客さん!」
えっ、当たり?
「いや、16億円当たりましたよ!」
ウソだろ。
「本当です、期限は今日までですよ」
やった。
早速銀行に行かねばならない。
宝くじ売場のボールペンで名前を書こうとしたら
持ち主の名前、住所が書かれている。
まずい
後から持ち主が気がつけば犯罪になるかもしれない。
しかし16億円
まだ昼前だから銀行に行くまで時間は有る、俺は連絡することにした。
近くに家が有る。
表札を確認してチャイムを鳴らす。
若い女性が出た。
「あっ、お父さんのダウンジャケットですよね」
えっ、古着屋で買いましたが。
「内側にウサギの刺繍が有りますか」
有ります、ウサギの刺繍。
昨年に、空き巣が入りいろいろ盗まれたそうだ。
「ダウンジャケットに宝くじの当たりくじが有ったと騒いでいましたが」
そうだ、これが宝くじです。
俺は当たりくじを差し出した。
「そうなんですね、父はストレスから昨年亡くなりました」
俺は今朝にダウンジャケットを買ったのですが、内ポケットに宝くじが有るのを見つけて、来ました。
「返しに来てくださったのですね」
はい、あのう一割はもらえませんか、厚かましいお願いですが。
「あなたが空き巣でしょう、警察に通報します」
それから気がついたら、女の首を絞めていた。
これで金は俺のものだ。
さあ、交差点を渡れば金は俺の物だ、持ち主は死んだから俺の金だ。
赤信号だったから、信号待ちだ。
ワクワクする。
突然、誰かが背中を押した。
強い力で押される。
振り向いて見たら、黒い何かが凄い力で俺を突き飛ばした。
大きなトラックが目に映る。
それが俺の最期だった。
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