幼なじみ

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 今回、俺が負った傷は、最初に受けた脇腹の内出血、左腕の裂傷、あと両手足の銃創数カ所。中でも一番酷かったのが、銃創骨折した肩だ。  初めて銃での攻撃を受けた時は、たった一撃でも痛みで身体が動かせず、気絶してしまいそうだった。何より、出血量におののいた。けど、今回は肩に弾を受けた後も反撃こそできなかったが、普通に意識を保ち続けることができていた。出血量もそれほどではなく、輸血の必要もなかった。 「…………なんだろうな。身体が馴れたのかな」  戦場での負傷原因は、なにも銃だけに限ったことじゃない。爆撃に巻き込まれるなど様々な原因がある。原因によって負傷も様々なのだが、そのどれもが初期の頃に比べて肉体が負う負担が減っているような気がする。 「オレが思うに治療薬のせいじゃないかな?」  隆之介が眼鏡をクイッと上げながら持論を語る。 「あの治療薬って、ワクチンと似たような物なんだろ。だったら、治療薬の効果って体内にしばらく残り続けるんじゃないかな。しかも、オレたちみたいに前線に立つ人間は結構な頻度で打ってるから、その効果も強くなってるんだと思う。だから、傷を負った端から体内に残っていた治療薬による治癒が始まるんだよ」 「そうなのかな?」 「いや、だって見てくれよ、この手。オレ、昨日の夜、装備の手入れしてる時にうっかりナイフで手を切ったんだよ。結構ざっくりいったけど、夜中だったし先生のとこには行かずに自分で消毒して寝たんだ。けど、ほら、もう完全に塞がってる」
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