対峙

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 俺は日本に在中する人類軍に所属し、日々敵との戦闘を繰り返していた。  今日も属する小隊の仲間と共に敵の拠点を偵察していたのだが、途中で敵の襲撃を受け、俺は味方とはぐれてしまった。幸い怪我もなく通信機器も損傷していなかったので、はぐれた小隊ともすぐに連絡が取ることができた。味方との繋がりが途絶えなかったことへの安堵。それが、僅かな気の緩みを生んでしまった。合流地点に向かうために潜伏場所から脱出するなり、敵の小隊に見つかってしまったのだ。  最初の攻撃はギリギリで躱せたが、次の攻撃は避けきれなかった。右脇腹に敵の弾を受けてしまった。  防弾装備のおかげで弾が身体に届くことはなかったが、被弾の衝撃までは殺せなかった。衝撃でバランスを崩した俺の隙を狙い、敵が更なる攻撃を仕掛けてくる。  体勢を整える間もなく降り注ぐ弾の雨。その一つが左腕を掠めた。弾が触れた衝撃のあと、一瞬間を置き厚手の服と共に抉れた肉の痛みが襲いかかってきた。咄嗟に傷を押さえると、傷からはグローブ越しにでも分かるほど出血していた。 「…………くそっ」  俺が負傷してから、敵の攻撃は明らかに緩くなった。  一見、敵が俺への攻撃を諦めたかのように思えるが、実際はそうじゃない。それを知りつつも、俺は反撃を行いながら撤退を試みていた。  傷から流れる血が腕を伝い、瓦礫だらけの地面に赤い雫を落としていく。俺が一歩移動する度に、瓦礫は音を鳴らし、血の跡と共に俺の軌跡の痕跡を知らしめてくる。
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