猫の目に抱かれて

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 口内に滑り込んできた舌が絡んでくる。  触れただけのキスとは違い、執拗に絡み付いてくる動きからはユウが秘めていた雄の欲情が強く伝わってくる。俺は拒絶することなく、欲情に応える。 「…………はぁ、はぁ」  唇が離れ、乱れた呼吸が互いの口から漏れる。  互いに見つめ合っていた俺たちは、何を言うでもなく装備を外し、服を脱ぎはじめた。  上着を脱ぎ、ズボンに手をかけた時、俺は視界に映ったユウの上半身に思わず喉を鳴らした。  重厚な装備の下から出てきたのは、均等に筋肉が付いた鍛えられた身体。戦うために作られた理想的な肉体。  いつまでも見つめていたいと思えるほどの身体に、心臓が高鳴る。だが、その高鳴りとは裏腹に、俺の気持ちは沈んでいった。 「どうしたの?」  俺の異変に気づき、ユウがズボンのベルトを外していた手を止め、尋ねてくる。 「嫌なら、無理強いはしないよ」  これから行うであろう行為に怖じけづいたとでも思ったのだろう。ユウは紳士的な態度で俺を気遣う。 「嫌じゃない。嫌ではないけど……。ユウの方が嫌じゃないか? こんな傷だらけの身体……」  ユウの身体は本当に綺麗だった。この過酷な戦場にいながら、身体に目立つ傷痕が一つもないのだ。かたや、俺の方は薄い筋肉に包まれただけの貧弱な身体。しかも、足手まといの俺は小隊の中で最も負傷率が高く、全身至るところに醜い傷痕が残っていた。こんな身体を好きな奴に見せるなんて……。
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