猫の目に抱かれて

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 「直接触って」  ユウのお願いを素直に受け入れる。  だが、ズボンのチャックを下ろし、姿を現したものに、俺は硬直した。  サイズはデカいにはデカいが、これは体格から予想はできていから、それほど驚く程ではない。  問題は形状だった。  大まかな形は、俺たち地球人と変わらない。ただ、皮が竿の中程まで剥け、赤々とした部分が結構な長さで露出している。それだけでも驚きなのだが、それ以上に驚いたが、俺たちにはない異物の存在。  ユウのチンコには、亀頭の下部から竿の中腹辺りまでトゲの形をした突起物がいくつも生えていた。  おそるおそるトゲに触ってみる。この時、ピクンとユウが反応したような気がしたが、そこまで気が回らず、俺は無心でトゲの観察をした。  トゲの形状はしているが、先端は丸みを帯びており、痛みを与えるような鋭利さはない。かといって柔らか過ぎる訳でもない。なんというか、大人のおもちゃに使われていそうな感触だった。  じっくりと観察する俺に、ユウが声をかけてきた。 「そっか、地球人にはないんだよね」 「あぁ……。こういった所にも違いがあるんだな」  パステト人の生態については、瞳の構造や身体能力など戦闘に影響を与えそうな部分の情報だけは伝わってきていた。直接戦闘に関わりのない生殖器の情報なんて、下っ端の俺が知るはずもなかった。 「地球に生息する猫科の動物には似たようなものがあるみたいだね」 「なんか聞いたことがあるな」  どこで得た知識かは忘れたが、聞いたことがあった。たしか、交尾の際に激痛を与えて排卵を促すとか…………激痛?  恐ろしい想像にケツがキュッと締まり、サーッと血の気が引いていく。
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