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見えない物体
白壁の無機質な部屋で、これまた白い机を囲み、白衣を来た白髪の二人が、白い箱を覗き込み感嘆の声を上げた。
「白金くん、やったぞ。ついに、ついに完成した!」
「おめでとうございます、白川博士! 長年研究を続けた甲斐がありましたね」
二人はこのラボが造られた当初から、ある1つのことに没頭していた。それは、見えない物体を作ること──。
普通に考えたらおかしな事だ。見えないのに、なぜ存在していると分かるのか?
それは、質量があるからだ。それが入った重さから箱の重さを引くと、中身の重さとなる。
この『見えない物体』には、確かに重さが存在するのだ。
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