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「…きー。…つきー。嘉月ー。」
目が覚めると先輩が俺の頭を撫でていた。
「っは!はいっ。先輩っ!」
「かわいい、寝ちゃったのー?」
「いや、あのっ。お酒飲んだらその。」
「ふふ。寝る?」
「はい。じゃなくって。えっ。あの。」
「んー?」
キスをされた。チュッて音がして。途端に血が上った。頭にも、そっちにも。なんか、尻の穴もキュってした。
「もう少し飲む?お酒。」
「は、はいっ。」
お酒、どころじゃ。
「寝る前は、ちゃんと歯磨かないとね。虫歯になっても知らんよ?」
「へ、はい。」
もう、やだ。武尊先輩は、なんで抱いてくれないの?ワンチャン欲しかったんじゃないの?
もしかして、俺が抱いた方がいいとか?!わかった、どんとこいっ!
「先輩、先輩。」
「んー?」
俺の横に座った武尊先輩がビールを開けて飲み始めた。
この状況じゃ、いたせないっ!
「嘉月。チップスター、食べる?」
「食べま…す。」
先輩が、筒に貼り付いた蓋をとって中身を出した。パッケージを破いて、チップスターを1枚とって、俺の唇に当てる。
「あーん。」
口を開けざるを得ない。口を開けると舌に被せるように乗せられて塩味が強く感じる。
「美味いよね。」
「うん。」
「舌って思ってるより優秀よね。」
口の中で、歯に移動させて齧る。飲み込む頃唇にキスされて押し倒された。
顔が離れると、先輩がニヤリ笑う。
「俺のこと好き?嘉月。」
「うん。」
今更?知ってるじゃないか。俺は、武尊先輩が大好きなんだよ。抱かれたくて抱きたくてうずうずしてるの。
頭を抱えるように後頭部に手を回された。
「されるの初めてだよね?」
きたーっ!ついにきたーっ!!
季節は秋、井伊山嘉月、20歳。ついに市川武尊先輩(21)に抱かれる瞬間がきたー!!
「は、はいっ。」
「勝手に何か調べてたよね。」
「ま、その。失礼がないようにしなきゃって。」
「へー。準備したの?」
「バイトの前に…はい。あと、洗いました。」
先輩に頭を撫で撫でされた。
「良い子。歯磨いたらベッドいこ。」
先輩は、歯科医師を目指してるだけあって、歯にはこだわりがある。自身も虫歯には一度もなったことがないらしい。
2人で並んで歯を磨いた。磨いた後、口の中を見られて。
「歯並びいいのね、嘉月。ちゃんと磨けてるし最高。」
って、頭を撫でてくれた。俺も歯は大切にしてる。フロスもしてるし、月1で歯科医院に行って歯の健診とメンテをしてもらってる。
「じゃあさ、ベッド行くよ。」
手を握られて寝室に招かれた。この部屋に入るのは初めてだ。セミダブルのベッドの横には低い棚が置いてあって、先輩が引き出しを開けてコンドームとローションを出した。クローゼットから大きめのバスタオルを2枚出して羽毛布団を剥がしてそれを敷いた。
「嘉月、どれくらいしてないの?」
「えっ。えっと。」
前の彼女と別れて以来していない。それに、自慰行為も、夏にしたけど、秋になってからはしてない。先輩と付き合ってから、ずっと……してない。
「3週間くら…」
ベッドに組み敷かれた。
「…男に抱かれるって、嘉月にしたら、不思議なことかもよ。俺は、タチだからね。必然的に、嘉月は抱かれる方だよ。いい?」
「はい。それを夢見て……あっ。」
Tシャツを捲られて乳首に吸いつかれた。女の子にされなれてるけど、男だからか、気持ちよくなる方法を知っていると言うか。乳首がすぐに固くなって。
「反応いいのね、嘉月。」
「せんぱ、……俺も。」
「きょうは、初めてなんだから大人しくしてみたら?される側に専念しなよ。」
「…えっ。」
たちまち服を脱がされて、上裸になった。
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