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秋の真ん中
武尊先輩の部屋にバイト帰りに来るのは当たり前になった。武尊先輩がバイトに来てない日も、LINEすると、部屋に来て良いっていうから、嬉しくてビールとレモンサワーとチップスターを買ってお邪魔するようになった。
「嘉月、寒くなってきたからこれ着てな。」
お風呂上がりにそう言って渡してくれたのは、女の子が着るようなモフモフのフーディーと、モフモフのズボンだった。
もらったものはありがたく着る。鏡を見ると……「なんか、羊みたい。先輩、先輩。俺かわいい?」
武尊先輩に声をかけると武尊先輩が俺を見るなり抱きしめた。
「うわあー、かわいい嘉月。」
体のいろんなとこをさわられて、くすぐったくて。
「先輩っ、先輩っ」
「ん?」
「くすぐったいよ。」
「いいじゃん、きょう寒いからモフモフさせて。」
「モフモフ??」
また、ぎゅって抱きしめられた。
「嘉月、歯磨きしたよね?」
「したよ。」
お風呂上がり、俺はだいたい歯を磨いてしまう。だから、お酒を飲まずに、ベッドに行くこともある。
「俺もしたから、もう寝よっ。」
「え、うん。」
これ、どっちだろ。
えちえち発展リーチ?
それともモフモフ睡眠リーチ?
俺としては、えちえち発展希望!
武尊先輩は、どっちを希望してるんだろう。
そうそう。武尊先輩との初えちえちは、緊張で最後よくわかんなかった。気持ちよかったけど、射精しなくて、お腹ん中が、痙攣して、体も一気に力が抜けて気怠くなった。射精してないけど脱力して動けなかったんだ。中が達したって、思った瞬間はめちゃめちゃ気持ちよかったんだけど、改めて扱かれて、精液が出た瞬間の達し方とは全く違かったんだ。先輩とのえちえちを何度かしてきたけれど、なんていうか、俺自身の射精のタイミングがいまいちわからなくて。
武尊先輩は、ベッドの中で俺を抱きしめている。
「嘉月。」
「え。」
「キスしよう。」
「うん。」
短く唇を重ねて、武尊先輩が俺の顔を見た。
「参ったな。脱がせたくない。」
でも腹に当たる武尊先輩のソレが少し硬くなっていて。俺はその熱に自分のソレを当てた。
「嘉月のふにゃふにゃ。」
耳元で言われて、さらにクスクス笑われれて顔が熱くなった。
「寒いからですう。」
頬を膨らませると、親指と人差し指で頬を潰された。それから俺の胸元に顔を埋めてきた。
「先輩、何して…。」
「嘉月。俺の頭撫でてみて。」
言われるまま優しく撫でた。
「きもちい。もっと。」
言われるまま撫でると、先輩が深く息を吐いたのがわかった。
「本当はね。俺、冬って嫌いなんよ。」
「え。」
「雪の降る前のゴーってあの音、寂しいんよな。」
「……。」
「だから、嫌いよ。冬は。」
俺の胸に顔を埋めつつ、俺のパンツに手を入れて直に臀部を触ってきた。素肌にスリスリしてる。
「嘉月、ケツ冷たいね。」
逆に武尊先輩の手はあったかい。
「準備……できてます。」
「したいの?嘉月。」
「俺は、いつもしたいです。先輩となら。」
「そうやって、のせるの上手だよねー。嘉月。」
尻の割れ目に手を滑らせて、後口を撫でるのがくすぐったい。
「んっく。っくすぐったい。」
パンツに入ってない方の手で骨盤から太ももまでズボンを下げられた。それから足で器用にズボンを足元まで下げられて脱がされた。
「嘉月は、甘えるの上手よ。俺もそうなら良かったのかな。」
「え?」
もしかして、武尊先輩は過去に忘れられない恋人がいたんじゃ……。
「嘉月。」
「はいっ。」
「服、脱がすよ。」
「はーいっ」
俺は起き上がって万歳した。
先輩は、のそのそ起き上がって、俺のフーディーを脱がせて、クスクス笑った。
「そんなに嬉しいの?する前の嘉月って、子どもみたいね。」
俺はTシャツとパンツだけで寒いのを言い訳に先輩に潜り込んだ。
「あっためて、早く早く。」
「もお、犬か。」
瞳を潤ませて上目遣いしてみた。
「さては、嘉月。年上キラー?」
「うん。」
「うん、て。」
年上の…胸が大きくて柔らかい女の子ばっかり狙ってたし、俺に近寄ってくる子はそういう子が多かった。それでなんとなく付き合う流れだったり、俺がイマイチでも、向こうが好きならそのうち好きになるかもって感じで胸が大きいくて柔らかければ、ま、いいかって付き合ってた。
でも、今は筋肉質の武尊先輩に抱きしめられるフィット感がたまらなく好き。
Tシャツの中に手を入れられ、背中を直に触られるとそれだけで、十分にえちえちな気分になってくる。紅潮するその顔を武尊先輩に向ければ、ちゅってわざと音を立てて、唇にキスされて、俺は口を開けて要求する。舌を絡め取られると、背中がぞわぞわしてくる。
淫らに唾液が絡み合ってピチャピチャ音がし始めてよだれが口の端から垂れるのを先輩が舌で舐めとって、それから首筋に吸いつかれた。
「ん、ぁ。」
どんな誰よりも、強くて痛い吸い付き方に涙が滲んでくる。次の瞬間には、優しく舌で撫でられて、気持ち良くて身を捩った。
「嘉月。」
「うん?」
「好きだよ。」
「先輩。」
「ん?」
「大、好き。」
「マウント取ってるの?」
手を取られ、指に口付けられた。
「俺は、嘉月のこと世界中の誰より好きだけど。」
「俺なんか宇宙の中の誰よりも武尊先輩が大好きだもん。」
「バンザイ。して。」
バンザイするとTシャツも脱がさ…両手を括られた。
「えっ。」
それからフェイスタオルを目の位置に被せられ、頭の後ろで縛られた。
「拘束してみた。」
何も見えない、暗闇で、腹に這う舌の感覚を感じ取る。こんなの初めて。乳首をキュッと摘まれた痛みに顔を顰める。暗闇の中で何が起こるかわからない不安に胸がドキドキして。
耳元に息がかかって、唇の柔らかさをその耳に感じた。俺は、今まで味わったことのないこの状況に息が早く浅くなる。
「怖いん?大丈夫よ。優しくするから。」
「はい。」
ゆっくり寝かされて、パンツを脱がされた。
「ちょっと勃ってるね。」
その言葉が恥ずかしくて、身体があつくなってくる。
先輩が鼻歌混じりに俺の陰茎を扱き始める。
カタコト音がして、キャップを外す音もする。手で馴染ませるクチュクチュッていう音がいつもより耳に届いている。
脚を持ち上げられて、その液体を後口に馴染ませる頃には、俺の先端は先走りを垂らしているのが、鈴口の湿った感じでよくわかった。
視界が真っ暗で、武尊先輩が今、どんな顔をして俺を見ているのか不安になってもどかしく、縛られた手首を動かしてみれば布越しに掴まれて。
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