秋の真ん中

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「寒い夜は寂しいんよね。」 耳元でポツリ呟かれる。 「本当の親は俺を置いて行ってしまってね。俺捨て子なんよ。」 後口に指を馴染ませながら、割と重たいことを告白する。俺は涙をタオルに滲ませて黙って聞いている。 「うちの義父(ちち)義母(はは)は、不妊症で、ちょうど良かったみたいよ。」 俺は、浅く息を吐きながら、後口に指を迎え入れた。 「もっと深く吐いて、息。ゆっくりよ。」 深く深く息を吐くと、指は奥に奥に進んでいく。指の根本で入り口を広げるように優しく撫でられて、少し苦しいから、息を吐いてやり過ごす…。 「人生なんてわからんね。」 指がもう一本入るころには、少し慣れてきて、広げられることに体は抵抗しなくなる。 「触るよ。」 宣言すると同時、中からお腹側を押されて 「あっ!!」 声を上げて体を捩った。 「嘉月は、敏感よね。素直でかわいい。俺も素直になれたら。」  先輩、素直になれなかったことがあったんだ。 「じゃあ、先輩。俺には、素直にして。」 「ん?うん。そうする。かわいい嘉月と、イチャイチャするわ。寒いの嫌だからあたためあお。」 「うん。」 中でクチュクチュ音を立てて指が動いてイイところを優しく撫でてくる。 「…あっ、はぁあ。うぅっ。……ゃっ、あ。んん」 目隠しされてるから、どんな顔でこんなことしてるのか全然わかんないし。次は何をされるのか不安もあって。 中を弄られながら、頬や首筋に口付けられるそれは嫌いじゃない。中のイイところを弄りながら、陰茎を扱かれるのは、おかしくなりそうで頭がふあふあして、女の子みたいな声が出た。 「嘉月。」 「ん、ん?」 「もしも、ここで俺が誰かと入れ替わるとするやん。」 「は、え?」 「きっと、嘉月は気づかないで腰揺らすと思うんよ。」 「な、ないよ、そんなの。」 「いや、たぶん。俺の言った通りになるんよ。」 後口から指が一気に引き抜かれた。 「っぁあっ。」 体がそわそわする。すぼんでいく、一度開いたそこが疼きながら。 「ぅうっ……先輩。」 さっきまで触れていた肌の感覚がなくなって寒いと思う。 ドアが開閉する音がして、足音が遠くなった。しばらく静かになったそこに、また、ドアが開閉する音が聞こえて、ベッドの上で俺を跨いだように思う。無言で、脚を開かれて、後口にいきなり熱いソレが入ってきた。 「うっ、苦しい!!」 「……。」 「先輩?」 「……。」 無言で腰を揺さぶられて、陰茎を荒く扱かれた。 「あっ、やっ。やだあっ。」 まさか、本当に知らない人が来たの? でも、匂い、武尊先輩のだから、絶対、まちがいないのに。 「先輩!!こんなのやだっ」 俺がどんなに嫌がってもやめようとしないのは、どうして?本当に知らない人が来たの?じゃあ、武尊先輩は、どこにいるの? 「助けて、武尊先輩!!」 ぎゅうって抱きしめられて、目隠しを外された。 「あっ、武尊先輩。なんで、こんな。」 「なあ。寒いから人恋しいだけで付き合ったんだったらさ、それの相手にされた人間の気持ちな。どんだけ虚しいか嘉月知ってる?」 「え。」 「去年の冬まで好きだった人にとって俺、それだったんよ。春になって遠くへ行ったの。10個も上でさ、結局遊ばれてたんよな、俺。」 「……え?」 「恋と依存て似てるようで全然違うんよ。他に依存するものを見つけて俺に飽きたとか言ってさ。」 つまり、恋人だった人は……。武尊先輩を捨てたってこと? 武尊先輩をギュッと抱きしめた。 「俺、どこにも行かないよ、先輩。」 「嘉月は、俺のどこが好きなわけ?」 俺は武尊先輩の唇に口付けた。 「うん。知らないところがいっぱいあるところ。」 「なんそれ。」 「知りたい。武尊先輩がどんな人か。」 「嘉月はおばかさんだね。」 意地悪に腰をうごかされた。イイとこにいっぱい当ててくるから頭が真っ白になった。 「う、っあっ!ちょっ。」 「俺はえちえちが好きで、嘉月にいっぱいイタズラしたい人です。」 腰を動かされたまま、脇腹をくすぐられた。 「やめっ。くすぐっ、あっ、これどっち?」 「知らんよ。ははは。」 耳を齧られて、痛くて目を見開いた。 「嘉月。」 「え。」 「怖かった?さっき。」 「うん。」 「ごめんね。」 「うん。」 腰の動きが激しくなって、中で熱いのが出たのをコンドーム越しに感じた。 俺の中が痙攣して気持ちよく脱力しながら、先輩のを飲み込もうとしてるみたい。前は、先走りを垂らしているけど、射精はしていない。勃ってるのに。震えてるのに。どうして? 「中イキしてるから、こっちが出ないのかもね。自分で扱きな。」 「え、…きょうは、してくんないの?」 「自分でやりな。たまには見せてよ。」 「やだ、してほしい。いつもみたいに。」 「甘えるタイプか。しょうがないね。」 俺の手より少し大きな手で俺の陰茎を扱いた。途端に腰が震え出す。 「すぐかよ。」 「だって……。」 「だせだせ。」 親指で鈴口をグリって押されて白濁した精液が出た。 「えっちいな、嘉月。」 「だって……。」 武尊先輩が、俺の腹に撒かれた精液をティッシュで拭いた。 「なあ、嘉月。」 「え。」 出した後の脱力感で頭がぼーっとする。 「嘉月といっぱいイチャイチャしたいんよ、俺。いい?」 「はい。喜んでー。」 武尊先輩にギュッて抱きしめられた。
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