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Boogie From The Beyond チャプター プロローグのプロローグ 帝国VS移動都市。ヘクさらわれる。ヴォクとエリアスはヴォコヴォコにされる。 プロローグ  プロローグのプロローグから三年、エリアスは宰相ヤロスラフ、将軍スタニスラフから、帝国に人質に取られているヘクの奪還命令を受ける。生れて始めて移動都市の外にでる興奮を隠せず、数少ない友人であるゾイ・カズのカップルにそれを話すも、地上出身のカズは苦笑いし、かつて父親の謀反を理由に地上に爆破テロに行かされたゾイは地上の人間はおそらくそんなことはしないだろうと期待を持っている。世界で唯一見える星を見上げながら、帝国にいるとうわさされる兄のことを思い浮かべる その時、彼方から誰かが口ずさむ歌が聞こえてくるような気がした。ハッとして、ちゃんと聞いてみようとしたときはもう聞こえてこなかった 1 地上へ  ヴォクと二人で偽造の身分証を手に、帝国に上陸したエリアス。移動都市でスパイ教育を受けていたものの地上の変化が速すぎて教育の内容は時代遅れであった。それでも、親切な警官に保護され、思惑通りお上りの田舎者と思わせることに成功。まずは仕事を見つけろとドヤ街に案内される。安宿でヴォクは単独行動に出るため、エリアスと別れる 2 就労と失業の相互関係 翌朝、手配師に見いだされて一週間契約のバイトをすることになる。ビル解体そのものは初めてだが、移動都市の児童労働義務の経験で全く苦ではない。しかし、素人のわりに妙に要領がよく、しかも疲れが見えないエリアスを見た施工会社の古参職人は面白くない。翌日から解体素人のエリアスに危険な作業をさせたり、些細な失敗で怒鳴り散らしたり、差し入れを買ってやらなかったり、挙句の果てに手拝氏にエリアスはまじめに働かない怠け者と言って以後の仕事がわたりにくくし、その一方で難癖をつけて日当を渡さなかったのに実は彼の分の金を着服する暴挙に出る。ほかの労働者たちも古参が怖くて、エリアスをいじめる しかし、オレンジ髪の眼鏡の男は違った。古参の部下として働いていた、このサニー・ヌカビラは前々から威張り散らす古参をうっとおしく思っており、現場でエリアスを気遣ったことで財布を盗んだ犯人に仕立て上げられていたのだ。それで堪忍袋の緒が切れたサニーは翌日、ガス溶断を古参と二人で行う際エリアスにコンビニで葉巻を買ってくるように使いに出す。サニー、古参とその取り巻きだけの状況でなる。 エリアスがコンビニから出た瞬間、現場が大爆発する。降り注ぐ古参たちの腕や装飾品、血だらけのサニーがヘラヘラ笑いながら出てきて、しばらく自分のアパートに泊まるよう誘った 3 夜中の決闘 サニーはエリアスに周囲の地理やらを教えてやり、そして身体能力を見出して、帝国軍がリクルートを行っていることを教える。それを知ったエリアスはコンビニに行って申込用紙をネットプリントして、サニーのアパートに帰ろうとするとチンピラの集団に囲まれた。難なく撃退したが、リーダー格の少年が前に出てくる。名前はカリスト・ポルティージョ。バタフライナイフを片手に戦いを挑んでくる。 エリアスはヴォクによって対ナイフ戦を仕込まれていたがカリスト(キャル)のナイフさばきは移動都市で見ただれよりも優れていた。また動きも素早く、決定打を与えられない。そのため、エリアスは奇策にでた。 大声をあげながら大通りへ出るエリアス、そしてそれを追いかけるキャル。エリアスがサニーから教えてもらった通り、大通りには巡回中の警官(親切景観とは別人)いて、追ってきたナイフを持ったキャルを咎める。しかしエリアスの思惑は違った。警官の後ろに隠れたと見せかけて警官をしめ落とすと、拳銃を奪い警官に見つかってあわてていたキャルに突き付けた。先日に、親切にしてくれた警官が腰に挿していたのを見逃さなかったのだ。ヴォクには「刃物相手には銃が一番」と教えられていた。ナイフを置き、敗北宣言するキャル 翌日、サニーに別れを告げてアパートから出るエリアス。すると昨日つけていたのか、そこにはキャルの姿が。臨戦態勢をとるエリアスだが、ギャングは解散したといい、キャルはジャケットを絨毯代わりに差し出した。そして、自分も帝国軍に志願するといった。二人は友人となった。 4 バチラス・ボンブ 極右グループ、剣の会はポスタル・シティ警察から闇で委託を受けて、外国人やリベラル、同性愛者やヒッピーに暴力を加えて金を巻き上げていた。彼らのリーダーは街角で売春婦を数名買い、たまり場に戻る。 リーダーはリル・デビルという源氏名の売春婦を気に入り、部屋に連れ込んで一戦交えようとしたがその時悲鳴が聞こえてくる。刃物をパキスタン人とインディアンがたまり場に乗り込み、30名余りを殺害したのだった。リーダーはうろたえて、逃げ出そうとする者の青年に行く手を阻まれる。 殴り倒して逃げようとしたが青年からは「お前は感染した」と一言。その瞬間、腕の肉が溶けて、骨にぶら下がる座布団のようになってしまった。悲鳴を上げるリーダー、しかし、リル・デビルが後ろから回し蹴りを食らわせ、絶命させた。 翌日、ポスタル警察署は大騒ぎとなった。パトカーには細切れにされた剣の会のメンバーの死体がのっかっており、署のエンブレムにはリーダーのドロドロに溶けた死体が突き刺さり、そして町中には警察幹部がリーダーから収賄している姿の写真がばらまかれていた。死体には「シュガシヴィリ」と刻まれていた 5 一次試験 帝国軍のリクルート事務所に到着したエリアスとキャル。軍の純責任者であるヴィクトルのあいさつを聞いてから10人ごとの8畳ほどの待合室で開始を待っている(エリアスとキャルは別の部屋)と、突如として試験開始のアナウンスが入る。その内容は、待合室ごとにバトルロイヤルを行い、終了までに立っていた三人が次へ進めるというものであった。 第五号室 面々はエリアス、ボン・ドン・ジョン、カンカー、ゼハピド、クラッシュ・ジーンズ、アイアン・エレファント、バッキー、ラーナー、ゼフィ、タルボット。 面食らっていい多カンカーとゼハピド、バッキー、タルボットはリピーターのボン、ラーナー、エレファント、クラッシュに打倒される。何とか状況を飲み込んだエリアスだが、次の瞬間に飛び込んできたゼフィの攻撃を防御するのが精いっぱいだった。ゼフィは経験豊富なファイターで、エリアスが何らかの軍事訓練を受けていることを見抜いていた(前述の面食らい三人が戦闘そのものに驚いていたことに対し、エリアスは戸惑いながらも臨戦態勢に入ったため)ので、早めに潰そうとした。他の四人はそれぞれボンとエレファント、ラーナーとクラッシュがリピーター同士その場限りの協定を組んでいたのでそれぞれで争い、ボン・エレファントがその場を制した。そして、おそらくリピーターであろうゼフィが後々障壁になるであろうから、エリアスに加勢してゼフィをたたこうとするものの、エレファントの各党はゼフィに難なく崩され、リピーターで内容を多少知っているボン、実力者ゼフィ、漁夫の利を得たエリアスがその場を制した 第13号室 面々はキャル、レイン・ヌカビラ、ウルク・ハイ、ドム、マザーファッカー・イーロン、カルメン、ボートン、スパイク・ヘッド、ウィドウメーカー、サラマンドラ。 こちらはもっとひどかった。キャル、レイン、ウルク以外は全員が顔見知りで、試験管にわいろを渡して七人同時にフル分けられていたのだった(試験管は小柄で弱そうなレイン、せいぜい地元で有名レベルのキャル、いかにも見た目だけ、というウルクならこのひ弱軍団でもなんとかできると思っていたようだ。彼ら七人は事前の金銭取引などにより、あらかじめ出来レースを組んでいた)。しかし、アナウンスの瞬間、レインの手が青く光り、七人軍団はその場に倒れた。顔が青白く、延々と水を吐く様から溺水状態にあると見たウルクとキャルはレインが“物持ち”であると悟り、消そうと自らも手に力を籠める。しかしそれは、試験管の登場により中断された。つまり主人公二人は漁夫の利で一次試験を突破してしまったのである。ゼフィに能力を認知されたエリアスはともかく、キャルは今のところウルクとレインには雑魚とみられている。 こうして、300人いた受験生は一気に90人まで減った。 6 ヴォクとサニー ところ変わって先日爆発事故で職人5名と無関係な通行人8名が死亡し、20人以上が負傷した解体途中のビル。サニーは、何とも言えない表情で葉巻を吸っている。 そこに現れたのはなんとヴォクであった。親し気に言葉を交わす二人、実は前々から通じていたのだ。ポスタルシティの警官は空手のお上りにはまずドヤ街を進める慣習があったので、あらかじめサニーにエリアスが帝国軍に志願するよう仕向けさせていた。 サニーはそのような七面倒なことはせず、初めから郡志願をヴォクから進めればよかったのに、というがヴォクは次にエリアスと会う時には、ヘクがいる時だという。なぜそんな面倒なことを、とさにーは聞くがヴォクはだんまり。しかし、自分のある計画にとって、家を抜け出して帝国軍に志願した弟(レイン)と、ヘク奪還のためスパイをさせようとしているヴォクの弟分(エリアス)が合流することは決してマイナスではないと考えたサニー(いずれ、カバルと帝国を一度に潰すための戦力を終結させるため)。難なく試験が進んでいるであろうとする。仮に実力が足りなくとも(ヴォクには明かしていないが)通じているヴィクトルなら何とかしてくれるであろうと思ったからだ。 ここで、回想シーンに入る ヴィクトルとサニーが、路地裏で闇営業をしエイル。ヴィクトルは試験運営の責任者であり、そして反帝国のネズミのあぶり出しをサニーに依頼しているのであった。さにーはカバルのヌカビラ家出身で帝国とは敵対状態にあり、またヴィクトルもカバルを借ると認定した帝国の偉い人なので本来はあってはいけないはずの二人なのだが、とにかくヴィクトルから信頼を受けているサニーが送り出せば、ことはスムーズとヴォクはにらんだ。 6.5 AXCX ヘクは今や、他に拿捕されてきた他国の構造苦とかといっしょに帝国のペットであった。帝国軍の公衆便所として毎日兵士の相手をさせられていた。ちなみに処女はヴィンチェンゾに奪われた。毎日ピルを飲まされて体もがたがたである 一応王族なので(皇帝は認めてないが)丁重に扱うべき、とヴィクトルは皇帝に進言。しかたなく相応の待遇化にいるヘク。 ヘクは生まれて初めて、肖像画以外の絵を見た。生まれて初めて、作品としての書籍を読んだ。生まれて初めて、栄養目的以外の料理に触れた。生まれて初めて、映画を見た。生まれて初めて、移動都市の外では子供たちが未来を選べると知った。 ヘクは、この時自分の存在意義を知った。ヘクは、何の希望もない移動都市の子供たちにも、未来を与えるために生まれてきたとしった。だから帝国を倒して、移動都市のあれやこれをなくして、自分の代わりとなるかもしれない子供たちに希望を与えるべく動くのだと決意した。 そのためには、まずはここから出ていくための操り人形がいるとドゥを見る 7 二次試験 二次試験は帝国の生物兵器の養殖所で行う。森の中で三人までの徒党を組み、24時間以内にゴール目出にたどり着くの魍魎サバイバルをする。ここには帝国から金をもらった原住民や戦争のあとから進化した生き物が闊歩するやばい場所である。レインは一応顔見知りのキャルにせっかくだから組もうという。キャルは「同じ物持ちのウルク杯と組まなくていいのか」と問うが「せっかく試験を受けに来たのだから強い奴とくんでも閉まらない」という。遠回しに柔いといわれむかつくキャルだが、レインの能力を見てそれはそれで幸運だと開き直るしかないとした。もう一人はどうするかと問われてエリアスがいいというキャル。レインはキャルを見て妙な親近感を感じ、了承。 一方でウルク・ハイはゼフィと組んでいた。後の一人、サーハンは何となく古い知り合いと名前が似ているという理由で数合わせに入れた。実は、サーハンはシュガシヴィリに催眠術を掛けられて帝国の要人を銃撃しており、試験を受けてド例幣使になるか死刑になるかという選択をさせられていた。むろん、ウとゼはシュガシヴィリの一員である。二人の目的はサーハンの抹殺である ボン・ドン・ジョンはアイアン・エレファントの脱落で途方に暮れていたが、グリシュナッハという男に組んでもらった。いかにも強そうで安心(正体は返送したサニーである)。もう一人は数合わせにデクと名乗る岩使いの少女であった。 魍魎サバイバルの始まりである。エリアス、レイン、キャルはいきなりオオカミの襲撃を受けて殺そうとするものの、実は地元ギャングでは会オオカミを連れて歩くことが一般的だったのでキャルが馴らしてしまった。一目置くエリアスとレイン そうしているうちに6時間が立ち、夜になった。ここでアナウンス。殺人の解禁である。ただし、実はこれは原住民への通達も含んである。つまり受験生たちは原住民やほかの受験生、功名心にかられた仲間にすら狙われる羽目となる 主人公組は自分たちのリードに、キャルが手名付けたオオカミがいた。半分まで到達していたこともあってそのため、これを番犬にして眠ることができる。人間は一人ずつ交代で起きていればいい。そうしてリラックス体制に入ったが、せっかくだから、とすこし各々の身の上話に入った エリアス→世話になったちょっとした知り合い(サニー)に進められて、何となく受けることにした(移動都市のことはおくびにも出していない)。それは誰なのか、と聞かれてサニーと答えてレインは内心びっくり(表には出していない) レイン→教団カバル教祖一族の、分家ヌカビラ家の四男であり、水魔導が使えるので跡取り候補であったが、弟に技術を抜かれ、レースから落ちた。そのとき、それまで自分の周りにいた人間が跡取り候補というだけで持ち上げていて、それがなくなったらもう自分が用済みだと気づき、自殺未遂。病院で目覚めたが、跡取りでないのならばもうこだわる必要はないと出奔。 しかしカバルの権力ですぐに見つかる。憂さ晴らしに内情をばらまいていたために本家の殺すリストに入ってしまい、そこから逃れる条件が兄・サニーの抹殺であった。ヴィンチェンゾがヴィクトルとサニーのおぼろげな情報を流し、父ストームが命令した。だから、試験を受けることにした(サニーを殺すつもりなのは隠している)→殺害命令はサニーの実父である本家カラサワのヘリオスがストームに下したものであり、レインにサニーが取れるわけがないが、ストームは妻を盾にされやむなくさせることに キャル→実は帝国の士官であるルドルフ・ウルリッヒに拾われた孤児である。生みの親はもとは帝国軍の兵士だったが二人とも戦死した。士官・ウルリッヒは世界中から集めてきた身寄りのない子供たちに人体実験を繰り返して魔導士をつくっていた。しかし、ウルリッヒはキャルが妻とともに交通事故で死んだ息子とうり二つ、という理由でほかの子供と違って特別扱いしていることに矛盾を覚えつつも(子供たちへの罪悪感もあって)キャルに愛情を注いだ。 しかし、キャルが13歳の時人体実験対象だった6人の少年少女が研究所を脱走した際にウルリッヒを殺害(ウルリッヒ本人はキャルを残すことに悲しみを覚えるも、彼らの攻撃を甘んじて受け入れて死んだ)。彼らはのちに、シュガシヴィリという事件屋集団を組み、方々で反社会活動を行う。キャルは泥水をすすりながら末端のチンピラとして裏社会で生き、そのことを知った。そのため、同じくシュガシヴィリをm根の敵とする帝国軍に入ることを決意する。 8 月下暴虐 一方、ウルク・ハイとゼフィ・ロス、サーハンのグループは不眠でゴールを目指していた。サーハンは仲間の殺人がアリだと知って殺される恐怖を抱きながらも、野生動物や襲撃者を簡単に蹴散らす二人を頼もしく思ってどうにかついてきていた。 そのとき、状況が変わった。30名近い原住民たちが武器を片手に三人を囲んだのだ。悲鳴を上げるサーハンだが、なんと自分だけが抑え込まれた。 ウルクとゼフィは原住民のリーダーと握手をしていた。信じられない光景とみるサーハン。原住民たちはもともと世界が荒廃してから1000年以上住んでいた森を帝国の養殖場にされた挙句、抗議にいったら仲間を大勢殺されて、帝国に土地と労働力を提供する羽目になり、内心キレていたのだ。信じられないという目で見るサーハンにウルク・ハイは左太ももを、ゼフィは右胸を見せる。 まるで干ばつのようにひび割れ、赤黒くなった肌。それが、かつて自分をハメて帝国史上最悪の殺人未遂反にさせたシュガシヴィリのアイコンだった。帝国にきれていた原住民はシュガシヴィリに手を貸すことにしていたのだ。森を知り尽くしているので、監視カメラや巡回の試験管が通る場所は熟知しているのでこの会合は見られない。サーハンの始末が、あいさつ代わりに原住民挿せる仕事だった。サーハンの血が森に飛び散り、死体は野生の狼の餌となった 9 まだ森かよ 夜が明けて、ゴールにはエリアス、キャル、レイン、ウルク、ゼフィの姿があった。ほかの者たちはゴールできなかったのだ試験管は残りの生存者は確認できるのがグリシュナッハチームだけであるといった。制限時間は残り短い グリシュナッハチームは実はゴール直前にいたのだが、身動きが取れない状態にあった。グリシュナッハ(サニー)、ボン、デクはゴール直前のほら穴の奥にいた。 三人で唯一三次試験までに進んだことがあるボンが、他二人に三次は体力を消耗するものだから、グリシュナッハのおかげでここまで楽にこれたので少しでも休んだほうがいい、と進言したのだ(グリシュナッハも知っていたがいう必要もないので知らないふりをした)。しかし、ほら穴の最奥を休息点にしたのが間違いだった。三人が寝ている間に、三次試験の受験者を一人でも減らそうとなるべく虐殺をしながらゴールを目指していた男、仲間をも手にかけた男バルカーがほら穴の入り口にトラップを仕掛けた。 そのトラップとは、ほら穴を出ようとした瞬間に盲従使いであるバルカーが従えていた数万匹の腹ペコのネズミが襲い掛かるというものであった。目覚めていた時にはバルカーが勝ち誇った顔で三人の前に立ちふさがっており、勝利宣言した。 サニーは視力が弱いネズミがバルカーを食わないように見分ける理由が臭いであると悟り、自らの腕を切って血を吸いだし、バルカーの目に吹きかけた。突然の目つぶしによってふらついたバルカーはデクの投石攻撃を受け、出口のほうへよろめいた。その瞬間、従えていたはずのネズミに食い荒らされる血まみれのバルカー。しかし、トラップの解除宣言ができるバルカーが死んでしまったので、ネズミたちは律義にトラップとしての機能を旗装置しており、ネズミどもが餓死するまでにはとっくに試験は時間切れとなる。 往生してしまった三人。もちろん、サニーは無策でこうしたのではない。“持ち物”を使ってボンとデクごと、ネズミどもを皆殺しにしようと画策していたのだ。しかし、サニーは自らを頼ってくる二人を見て、自らの出自を思い出してしまう。 教団の分家と本家という複雑な家庭環境の中で、本家の前当主の一人息子として生まれたサニー、しかし、前当主ホルス・カラサワの弟にして跡取り競争で兄に敗れ、しかもサニーという確定した次代が生まれたことで現当主ヘリオスは面白くなかった。 だからヘリオスはホルスを謀殺した挙句、サニーを当時ヌカビラ家がカラサワ家に対して抱えていた借金の返済代わりの名目で押し付けた。当然、その経緯でヌカビラに歓迎されるはずはなく、サニーははみ子としてだれからも歓迎されない人生を送っていた。義理の父は自らを避け、カラサワを恨む義理の母や義母の従順なペットである義理の二人の兄はなにかとつらく当たってきた その中で唯一サニーを色眼鏡で見なかったのが義弟のレインとミストだった。彼らを心の支えとして15歳まで耐えたサニーは、出奔して昼間は解体職人として生計を立て、夜はどうにか、カバルをつぶしてやろうと人脈を広げようとしていた(ヴィクトルやヴォクとどうやって知り合ったかはまだ書かない)。それに目をつけられて、結果的にヘリオスがミストにサニー殺害を強いた そのため、サニーは年下の少年少女に弱い。一日にも満たない共闘だったが、ボンとデクに情が沸いてしまったサニーは、必死に自分たちを頼ってくる二人を、”持ち物”を使うところを見られぬよう合気で気絶させ、数万のネズミを焼き払って、二人を抱えて脱出。ゴールした。 9.5 ヴォク=僕(このオハナシのいくばくか前) ヴォクはサニーとともに、帝国の貯蔵庫と言われる農業地域、アルカザールにて麦畑を眺めていた。移動都市は麦すら取れないのかい?と尋ねるサニーにヴォクは「限られた土壌、環境汚染の影響で常に雲に覆われている海上、絶え間ない潮風、一度病気が発生すると逃れられない環境下ではここまで実らない」とそっけなく返答する。 秋になれば、黄金の穂が一斉にこうべを垂れる、素晴らしい光景が見られるぞというサニー。お前がすきそうだから、と近所の土産屋で購入した田園風景の絵葉書を買ってやる。ヴォクは笑顔こそなかったものの、その表情は昨日今日の付き合いではないサニーが困惑するほど憂いと希望に富んだものであった。 「来れこそ俺が望み、目指すもの。移動都市に、この光景を見たい」 大した石じゃないかと笑うサニー、そこにシュガシヴィリのレイル、リル・デビル、スカーレットが現れる 打って変わって冷酷な表情で、熱のない握手をするヴォクとレイル…… 10 三次試験 養殖場で実に82人もの受験生が原住民に襲われたり、受験生同士の戦闘、あるいは生物に殺されたか、再起不能となってリタイヤした。残ったのはエリアス、キャル、レイン、サニー、ボン、デク、ゼフィ、ウルクの八人。ようやく姿を現したヴィクトル、ヴィンチェンツォ、ドゥ、皇帝が三次試験に立ち会う。 三次試験は競争ではなく、帝国幹部三人と手合わせをして戦闘能力を審査(“持ち物”を使いさえしなけらば不意打ち、だまし討ち、武器使用なんでもあり)される。以下カード ヴィクトル→エリアス、サニー、ウルク ヴィンチェンツォ→レイン、キャル ドゥ→ボン、ゼフィ、デク といっても、一分ほど組手をしてあとはだいたい問題なしとされる。ようは出来レースだから。 順番は エリアス→ボン→デク→ゼフィ→キャル→ウルク→レイン→サニー エリアスvsヴィクトル 構えた瞬間に、両者間に電撃のようなものが走る。つながりのようなものを感じたから(ともに夢を食べて育つことなく、灰色の絵の具を玩具とする人生を送ってきたから)で、一瞬の隙も見せない格闘を繰り広げる。一分経過の笛が鳴っても収まることはなく、二人ともまるで子供が危険な遊びで思い出を共有するかのような表情で一時間以上殴り合いをして、最終的にヴィクトルが納める ヴィクトル「お前、16だろ」 エリアス「だったら……」 ヴィクトル「4歳長生きした分、おれが少し先にいた、敗因はそれだけさ」 ボンvsドゥ ボンは奮闘したが一切攻め込めなかった。だが、ドゥは育てればそれなりといって合格 デクvsドゥ 同じようなもん ゼフィvsドゥ これはいい、すごくいいね。怒りや憎しみをバネにできる、いい兵士になる キャルvsヴィンチェンツォ ナイフ片手に戦闘を始めるも、ボンやデクと同じレベルとみなされる。ヴィンチェンツォは慢心と哀れみからせめて、一撃は入れさせてやるとわざと切られた その時、シャツが避けて腹の鰐肌があらわに。これがキャルの怒りを爆発させ、身体能力が急上昇。“持ち物”を手に入れる兆しだ、と皇帝は嬉しそうにし、ヴィンチェンツォはキャルのあまりにも爆発的な身体能力の急上昇ぶりに圧倒され、持ち物を使いそうになるも皇帝に止められる。皇帝が合格宣言をし、12人もの兵士がヴィンチェンツォに馬乗りになって滅多刺しにしようとするキャルをとめねばならなかた。 ウルクvsヴィクトル ヴィクトルが適当にあしらってハイ合格(キャルとエリアスにしかもう興味がない) レインvsヴィンチェンツォ レインは焦っていた。キャルとエリアスが高評価を受けて善戦していたからだ。ということでヴィンに挑みかかるもののあらゆる格闘をあしらわれてしまう。レインはこれまで、持ち物に頼った戦いをしすぎて徒手空拳での戦いが全く身についていなかったからだ。ボンやデクよりも厳しい目で見られる。 レインは生まれて初めて、子分や取り巻き出ない、友達ができたのに二人は先に行ってしまう。それは嫌だと食って掛かるも、焦りからパフォーマンスは余計に悪くなってゆき、ついにヴィンチェンツォは「さすがにレベルが低すぎる」と気絶させた。 サニーvsヴィクトル 元々事前の取り決めでサニーが負けていなくなる予定だった(あくまで個人的にヴィクトルと取引しているにすぎず、また本人もそこまで帝国に肩入れする気がなかった)ので、適当にヴィクトルの攻撃を受けてやられる こうしてグリシュナッハ(サニー)とレインの敗退が決まった。一日休んだ後、敗退者は皇帝の城を去ることとなっている。レインを励まそうとするエリアスとキャルだが、投げやりのレインは聞く耳を持とうとしない。そこにグリシュナッハが現れて 「お前は兄貴と一緒で弱虫だ、どうしようもないカスだ」 とサニーをののしる(自虐) キレたレインはグリシュナッハに食ってかかった。兄を侮辱されたという何よりも大きな、臨界を超えた怒りが彼に冷静さを与えた。二人の取っ組み合い(もちろんレインが切れて強くなったしグリシュナッハが手加減してレイン有利に見せかけている)は監視カメラからヴィクトルらに見られ、皇帝は権限で敗退を撤回、レインも兵士になった わざと何度も殴られたグリシュナッハはどこか嬉しそうに、城を去ろうとする。 その時、レインが後ろから追ってきた。実は、サニーなんじゃないのかと囁く 「ガキの頃、何度もゲームをやってるときに負けてくれた、今回もそうなの……?」 「今のところ鼻。だが、やつらにお前が、あの戦いをおれが本気でやっても実現させられる可能性を見せつけていぇる手伝いをしてやったのさ。スタートラインに立つだけならどんな手をつかってもいい」 サニーはレインが自分を殺したくないのも家に帰れないのも知っていた。だから、皇帝やヴィクトルはカバルと対等である数少ない存在で、しばらくはそこにいて、経験を詰め。一緒にカバルと戦えるようになったら、また会おうといって去っていった。 11 シュガシヴィリだよ、全員集合! レイル・ヴォード ゼフィ・ロス(潜入中) リル・デビル スカーレット・クルーガー セーンサック・チャトーワンチャイ チェーザレ・ドラギニャッツォ ワグナー・ドラベラ デベンドラ・クマール ホメロス・カツォポリス ウルク・ハイ(潜入中) ヌゴンゴ・ドス・サントス バーグラー アナコンダ 集合場所の車両解体工場で、各々の鰐肌見せつけて 全員集合。 シュガシヴィリのリーダー、レイルは帝国陥落の第一歩として、左翼集団を味方につけるために先日行ったポスタル市警の不正摘発について語った。歓声を上げるメンバーたち。この調子で、腐った権力の手先をぶっ潰してやろうと提案するドラギニャッツォをレイルは制する。自分たちはあくまで政治的秘密結社であり、最終的な帝国への復讐は合法的なものでなければならないと諭す。だから、ただ潰すだけではいけない。 司法や行政を敵に回しても、市民の味方を勝ち取るのが最優先という。ロビン・フッド(1000年後ではルーベン・ホエク)は暴力の行使で民衆を味方につけるのであれば、時には暴力的措置を使ってでも市民を味方にすればいいと(ドラギニャッツォはそれじゃ帝国と変わんなくね?というがレイルもそれは認めていて「あくまでおれたちが平穏に暮らせる世界、記号が入れ替わるだけだ」「おれたちは人じゃねぇのかよ?」「社会の中における、反社会主義者という記号に収まっているにすぎん」) そうして、帝国に潜入中のウルクハイとゼフィロスから受け取った情報を明かす。 二週間後、新人研修を兼ねて、新人を多数編入した状態で(ポスタル駐屯地のみならず、アルパニ駐屯地やグスタフ駐屯地、オバマ駐屯地の新人も加えて)、この世界のエスタブリッシュメントであるルワダイン武器製造とホーネッカー鉄鋼、そして皇帝の会合の際警備員として帝国軍兵士が動員される。そこにウルクとゼフィも動員されるから、手引きをしてもらい潜入‐gangbang-whatever? それまでに各々、各担当のやることリストを完了させるように…… 待った、レイル、お前は? 新入りを一匹拾った、そいつに抗体を打っておく。まったく、サラブラッドの上物だ。処女の股間に犬の竿を入れるみたいでくそが漏れそうなほど気分がいいよ! 12 スクールデイズ かわいい制服を着て、憧れの学校生活! 帝国士官養成所、AKIRAの職業訓練校なみ。 兵士になるまで1年就学 卒業できずに追放半数 もう半数の半数洗浄出る前に鬱になる! だからバイトの兵士がかなり多い ファルコーネ先生が出席をとる。15~24歳までの男女共学。1/3女子生徒なのにこの中で童貞は手を上げろとおっしゃる 誰も上げない、おれはウソがきれぇなんだと拳銃を取り出す。 エリアスが隣のレインとキャルに聞く-「童貞ってなに?」 「股にお前の竿を入れたことがあるかってんだ」 「ああ、お母さんが亡くなる前に、朝起きてパンツが白いドロドロで汚かった時に、おかあさんにそのこと言ったらかわいいエリアスが穢れたドブぐそみたいな女に貞操を汚されるぐらいなら、って無理やりさせられた。それから毎日させられて、いやだ、やめてっていったらお母さんおれをボコボコなぐりながら無理やりやってきた」 「お前それ性虐待だよ」 「よくわかんない、男の子だもん」 それで童貞はどこだ 顔真っ赤にしてしぶしぶ手をあげるのがレインとキャル。ほかはシーン。ひとりの生徒が笑うと、ファルコーネ先生がそいつを模擬銃の台尻でぶんなぐって泡吹かせる 「冗談抜きで、今すぐ捨ててこい。実践よりも訓練中に死ぬやつのほうがギリギリ多い」 その日の晩、出かけるキャルとレイン。入学祝い金片手に赤線街をふらふら歩く。実はレイン、かなりの坊ちゃん育ちでこういうところは縁がない。客ビキニ何度も引っ掛かりかけて、振り回されるキャル。 「キャルはギャングやってたしかなりモテるんじゃ?」「今日見ないふりしてたら、自然と相性いい子が寄ってくると思ってた、そしたら、まだ童貞だった。レインは?」「……ケルベロス・ブリーチのエロゲーでなら二股かけて燃えるごみと一緒に捨てられたことがある」「とどのつまりおれたちは負け犬か」「何で童貞じゃいけないんだ?昔のかみたまっぽいひとは貞操を守れって言ってたって復活者信仰ではいうらしいよ」「女性蔑視を仕込むためだって、アル中のフォークに話しかけるようなキモイやつが言ってた」「楽園は楽園でも下半身の楽園ってか」「上半身もいいんじゃない?無限ヘロイン打ちまくり」「とにかく女、女……」 13 リル・チャト・ドラギ チャトーワンチャイは仕込みを行うために、ルワダイン武器製造の弾丸工場の日雇い労働者として潜入していた。労働者を見下す居丈高な監督(初めからやさしさがないデーダンさんかしら)が登場。ライン内をうろうろして労働者たちは顔をしかめる中、チャトは歯茎に隠していた虫の卵塊から一つとる。トイレに行くふりをして、監督のデスクにおいてあるコーヒーに混入。 翌日、監督が嘔吐、頭痛から病欠するもそのまま自宅で死亡、しかし、脳内ではすでに虫が孵化しておりはたから見れば生きている。いまやパラセクトになった監督。彼は翌日出勤し、会合出席予定の役員の前でクシャミをする。虫の卵が役員の口に入った ドラギニャッツォは友達がいないので
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