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2人がいなくなった後、私は自分の置かれている状況を思い出す。
折原さん達は、何処まで見ていただろうか。
仁君が殴られると思ったら、咄嗟に助けに行ってしまったけど。
会社に戻るのが、憂鬱だった。でももうお昼休みが終わる。
お昼も食べていない。お腹が空いた。
飲食街には、サラリーマンの姿も疎らになっていた。
部屋の入口で少し躊躇する。言い訳は帰り道で考えた。
さあ、行くぞ。
「西脇さん」
思ってもいない場所から、宮島さんの声がした。
「わ、びっくりした」
「あ、ごめんなさい。驚かせちゃいましたね」
うん、かなり驚きました。言い訳を忘れてしまいそうな位。
「さっき、大丈夫でしたか?誰か知り合いの方でもいたんですか?」
話しながら、自分達のデスクに着く。
「西脇さん、大丈夫?」
折原さんが私達を見つけて、近づいて来る。
「あ、さっきはすみません。知り合いに似てたので、つい行ってしまったんですけど、人違いでした」
考えていた言い訳が言えた。
「ちょっと、怖い感じの人達だったけど、ああいう人に知り合いがいるんですか?」
宮島さんが、痛い所を突いて来る。
「まさか、いる訳ないじゃないですか」
笑い顔が引きつっている様な気がする。
「そうだよ。宮島さん、変な事言うなよ」
田所さん、ナイスフォローありがとう。
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