第1話

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「西脇さん、お昼行きませんか?」 宮島さんが声をかけて来た。 「あ、今日はお弁当買って来たの。誘ってくれてありがとう」 「え~、そうなんですか。昨日一緒に食べられなかったから今日はって、皆楽しみにしてたんですよ」 「ごめんなさい。また今度行きましょう」 もう私は外食はしない予定だけど。 「じゃあ、行って来ますね」 宮島さんが、折原さん達の方へ戻って行った。 「西脇さん、お弁当買って来たそうです」 「そうなのか。じゃあ俺もコンビニで買ってこよう。 田所と宮島さんで行って来て」 そう言う折原さんの声が聞こえて来て、折原さんが1人でオフィスから出て行った。 え、なんでよ。3人で行って下さいよ。 あ~、なんかややこしい事になりそう。私は急いでお弁当を食べ始めた。 なんだか、あんまり味がわからない。 「西脇さん。一緒にいいかな?」 背後で声がした。嫌な予感が当たった。振り向くとそこには折原さんが立っていた。 彼が私の隣に座る。いいって言ってないけど。でも断る事も出来ない。 「あ、はい。どうぞ」 もうそう言うしかない。 「なんで今日はお弁当なの?」 折原さんが、おにぎりのフィルムを開けながら聞いて来る。 「朝、時間があったので」 「ふ~ん。外に行くとまた誰かに会っちゃうから?」 「え、そ、それどういう意味ですか?」 マズい、動揺が隠せない。なんで折原さんはこんな事を言うんだろう。 「まぁ、いいか」 折原さんが、ペットボトルのお茶を飲む。 その背後に、何人かの女子社員の冷た~い視線が並んでいた。
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