第2話

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「黒崎さん、その腕、どうしたんですか」 私はびっくりして、そこそこ大きな声を出した。 黒崎さんが、自分の腕を後ろに隠した。 何かあったんだ。仁君が一緒にいないのはなんで?まさか… 「一花さん」 イケメンだけど、いつもは怖~い黒崎さんの顔が、一瞬泣きそうに見えた。 「仁君に何かあったんですか」 私は黒崎さんの表情に慌てていた。嫌な予感がする。 黒崎さんが怪我をしているなら、仁君にも絶対に何かあった筈だから。 黒崎さんは、話す事を躊躇っている様だった。 「黒崎さん!」 私はさっきよりもっと大きな声を出していた。 「仁が、大怪我をしました。」 そう言って、項垂れた。大怪我って、何。でも怪我なんだよね。単なる怪我。 「今、家にいるんですか?仁君に逢わせて下さい」 玄関先の声を聞きつけてか、中から黒いスーツの強面の大男が何人か出て来た。 「おい、この家の前で何を騒いでる?」 大男の1人が私に凄んだ。 「煩い!」 私はつい、そう叫んでしまった。大男がびっくりして、後退りした。 「おい、止めろ。」 黒崎さんが大男を制した。 「す、すみません」 大男がかなり小さくなった。 「今病院にいます。お時間があれば一緒に来て貰えますか」 仁君に、私には言わない様にと言われていたのかもしれない。 周りの人達がざわついていた。 「行きます。絶対行きます」 黒崎さんが後部座席のドアを開けた。
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