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■03■
一週間後。
先週会ったときは夜だった。今日は明るい昼間に約束をしている。
服は迷ったあげくカジュアルめにした。
ベージュのロングスカートに薄手の白ニット。無難すぎるかなと思ったけれど、だからといって思いきりおしゃれするのも力が入りすぎと思われそうだったのでやめた。というのは、待ち合わせ場所がわたしの住んでいるところの最寄り駅の改札前だったからだ。
ここは少し歩けば静かな住宅街が広がるいたって普通の街。駅前にはコンビニや商店、小さな食堂やカフェがあるくらいで、たいした見どころもない。
なのになんでここ?
一週間前との落差に引っかかりながらも、もしかして車で迎えに来てくれるのかなと楽観的に考えていた。
それにしても遅いな。約束の時間はとっくに過ぎてるんだけど。
それから二十分ほど経っただろうか。
「待たせて悪い。電車が人身事故で遅延した」
背後からぼそぼそと声がして振り向く。
「ううん。別に──」
だけどそこまで言って言葉に詰まった。
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