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 早朝から夕方まで、工場で精密機械の部品を製造する仕事だった。  以前は大手企業の受付や事務の仕事があったけれど、最近はそういった仕事にありつけることが難しくなっていた。そこに舞い降りた高時給の仕事。これだ! と思って飛びついてみたけれど、蓋を開けてみればこのありさま。  でもどうしようもない。工場長に生活の困窮を訴えたところで、この人はわたしを助けてはくれない。  はぁー、次の仕事、すぐに見つかるかな。 *** 「瑠璃(るり)さん、わたしはもうだめです。明日から生きていける気がしません」 「おおげさね。さくらちゃん、ハゲるわよ」 「おおげさじゃないですよ。こっちは生活がかかってるんです。生きるか死ぬかの問題なんです。てか、ハゲはやめてください。それでなくても最近、抜け毛が多くて気にしてるのに」 「あら、大変。育毛剤を使ったほうがいいんじゃないかしら?」 「やっぱり使うべきですか? ……そうですよね。明日買いにいこう」 「手遅れかもしれないけど、使わないよりマシよ」  ひとりで夜を過ごす気になれなくて、わたしは行きつけのショットバーに来ていた。
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