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いつの時代だ? とは思うけれど、瑠璃さんは自分が女であることを最大限に利用して出世した人。泣かせた男、骨抜きにした男は数知れず。ここまで飛びぬけていると逆に気持ちいいとさえ思ってしまう。
「ねえ、次の仕事が決まってないならバイトしてみない?」
「バイト?」
「さくらちゃん、わたしほどじゃないけど、そこそこ美人だし、ぎりぎり合格ラインよ」
なんだろう。ほめられてる気がしない。
「いやいや。さすがにたいした経歴のないわたしが瑠璃さんの勤めている一流企業で働くなんて無理ですよ。英語もできないですし」
「違うわよ。うちの会社で働くんじゃないわ。もっと短時間でお金を稼ぐ方法があるのよ」
「どんなお仕事ですか!?」
そんな都合のいい仕事なんてあるわけないと思いながらも、つい前のめりになる。
すると瑠璃さんは鋭い眼差しをわたしに向け、口の端をあげてあやしげな笑みを浮かべた。
なんだか嫌な予感がする。
もしかしてものすごい過酷な肉体労働? はたまた犯罪スレスレの危険な仕事?
そんな心配をしていると……。
「パパ活よ」
想像の斜め上をいく答えが返ってきた。
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