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「君がパドラに鏡を向けたあの時、俺に向けて言ってくれた言葉だが」 「あっ……」 「答え合わせをしてくれるか? 俺は『あいしています』と読んだのだが」  一気に首から上が熱くなる。  それは、こっそり完結させようとしていた自己満足の愛の告白だった。  唇の動きはあくまで合図のようなものだから、何を言っているのかまでは伝わらないと思っていたのだ。  ところが思わぬことに、ラグナールは読唇術を心得ていた。 「……合って、います」  リリシスは狼狽えながらも真っ赤な顔で頷く。  するとラグナールはこめかみに唇を寄せ、小さく口付けながら、囁くように問い掛けた。 「それは、俺が受け取っていい言葉か?」 「え?」 「ラグナールの方の俺だ」 「勿論です! だってラグナールさんはラグナールさんでしょう?」  何故そんなことを聞くのか理解出来ずに首を傾げると、ラグナールに困ったような笑みを溢された。
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