0Hzの鯨

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届かないと分かっている音波を奏でていました 黒が揺蕩う深海の中で 鯨は一人泣いています 届くはずのない啼き声をただ上げているのです 夜の中、透明になって、消えて、なくならないように 透明な気泡を吐き出すのです 孤独な鯨は今日も深い海を泳ぎます 見えもしない、地上の鳥を羨んで
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