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集うきょうだい達
それから順番に、きょうだい達が僕とイリサのところへ現れては挨拶を交わす。
「こちらは知の神・ミリー。私の星のお隣さんですね」
「叶うならば、自分の星でこのままとこしえに眠り続けていたかった……働きたくないでござる……」
「はい、このように。『のんびり』とか『平坦』を何より求める性格なのです」
なんだか、僕のせいで希望が叶わなかったみたいで、申し訳ない気持ちになる。
「まぁ、いいよ。この星は現状、秩序が保たれている。吾が働かなければならない環境ではなさそうなのでね」
次に現れた猛き心と穏やかな心の双頭、「感情の神・エリシアとイルヒラ」。彼らを迎え入れたことで、僕の中にも多様な感情が育つようになった。
その次が「創造の神・リリア」。この世に実在しない物語を思い描く、というのは、この時点では彼女だけに許された能力だった。次から次へと、溢れ出るように夢物語を僕達に語り聞かせてくれる。
次にやって来たのは「自由の神・エル」。僕達きょうだいの中では一番、体が小さい。顔を合わせれば「ごめんあそばせ」と挨拶はしてくれるけれど、ひとりで自由に空を飛ぶのが好きな少女だった。
最後。ついに、太陽の神・マリアが到着した。しかし、彼の人となりは「最高神」として想像していたのとはかなりの乖離があった。
「自分で作った覚えがないのに、いつの間にか子供が八人もいるなんて……君達にとっての立派な父となる自信が俺にはないよ」
「なんだかんだで皆、個性とそれぞれの主張の強いところありますからね。確かにまとめる立場となるとマリア様は大変かもですね」
しょんぼりとして肩を落とし、さらに項垂れてもいる彼の頭は、僕達よりも小柄なイリサが背伸びをしなくとも手が届く。彼女はよしよし、頭を撫でてあげていた。
「そういう事情なら父と呼ぶより、あなたもきょうだいと思って接していいのかな」
「そうしてもらえたら助かる、かな……」
「わかったよ。よろしくね、マリア」
「了解です、ソウジュ様、マリア様!」
「あの、イリサ? 今の話聞いてたかい?」
「なんででしょうね~。ソウジュ様とマリア様に関しては、こうお呼びしないと落ち着かないと申しますか。こうしないと私らしくいられない気がするんです」
「そういう事情なら、そのままでいいかな」
「わーい、ありがとうございます!」
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