ルビーのトラウマ

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ルビーのトラウマ

こうなったら、患部の状態を確認するしかない。 トイレに鏡を持ち込んで、確認すると、中央がポツンとルビーレッドになっている。 宝石のルビー、美しい形容で申しわけないが、明らかに炎症を起こしている色彩。 今後、ルビーを見るたびに、このトラウマがよみがえるだろう。 なんという不幸だ・・ この時には、夜中の12時過ぎていた。 「どーーするか。このまま耐えて、月曜日まで待つのか・・」 不快感で眠れないほどで、もう、がまんできない。 そして決断した。 泌尿器科の薬は、手元にない。 取りあえず、鎮痛剤? 市販のがあるけど、飲むしかないか。 薬箱をごそごそ漁ると、以前スズメバチに刺された時のクリニックから処方された残薬があった。 その時、処方された「アレルギーを抑える薬」が1錠残っていた。 スズメバチに刺された時は、ものすごい腫れと痛みがあった。炎症状態だ。 同じ炎症なら・・効くかもしれない。 自己責任で飲む・・私は薬を口に放り込んだ。 2時間ほどたつと、ズクズク・ズンズンの違和感が軽減してきた。 やったぁ!やっと寝られる・・時計をみたら午前2時をすぎていた。 日曜日に目が覚めた時は、不快感はかすかにある程度だった。 とにかくホッとした。 この調子なら、なんとか月曜日までもつだろう。 月曜日の9時、クリニックに電話をしたら、今日は予約で埋まっていて火曜日になるという。 「お願いします!朝、一番で!」 私はスマホに、汗だらけのほっぺたをくっつけて、大声で叫んでいた。
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