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初等代数学(2)虚数とは?
今回は、虚数iについて解説していきたいと思います。
さて、前回ルートについてお話ししましたが、実は分数のルートとかも定義できるのです。
√(2/3) = √2 / √3 という具合です。
でも、これらは正の数。負の数のルートもあるのではないか?それが虚数iの概念です。
それにしても、ルートというのは二回掛けたら中身の数になる数なのに、その中身がマイナスって不思議なんですよね。
なぜかというと、(-1)を二回掛けたら1、2を二回掛けたら4、1/2を二回掛けたら1/4...そう、二回掛けてマイナスになる数って『実数の中には』ないんです。
それを虚数iとして置いてみよう、という訳です。
まとめると、『正の数のルートは考えられる』=>『なのに、負の数のルートはないって気持ち悪い!』=>『でもそれは実数の中にはないらしい』=>『じゃあ虚数iとして置いてしまおう!』ということです。
では、改めて虚数の定義をここに記します。
i = √(-1)
さて、『負の数のルートを定義したいから』という理由で虚数を開発したというようなお話をしましたが、実はもう一つ、数学者たちが痛烈に悩んでいた理由がありました。
それは、『二次方程式が解けない!』です。
どういうことなのか、見ていきたいと思います。
そもそも、二次方程式ax^2+bx+c=0は次の式で解かれます。(解くというのは式を満たせるxを求めるという意味です)
やけに複雑な表式ですが、今回はもっと単純な例で考えます。
たとえばx^2+2x+1=0。
さっきの公式に当てはめるなりして求めるとx=-1となります。
つまりxに-1を代入すればさっきの式が成り立つということです。
(-1)^2+2*(-1)+1=1-2+1=0より本当に成り立ちます。
ただ、x^2-2x+2=0というような方程式を解こうとすると、解が1+√(-1), 1-√(-1)となってしまい、実数の範囲では解が出せないので、『解なし』とせざるを得ませんでした。
でも、これだとどうにも困ったことが多くあり、そこで登場したのが虚数という訳です。
でも、今までの概念とは全く違うし、理論的に言われればなんとなくわかるけど、実感はまったくできないから、といって何百年か数学者たちから反発されて浸透しませんでした。しかし、ようやく虚数が受け入れられたころから数学の発展は著しいものとなったのです。
なんてったって、どんな二次方程式も解けるのですから。
さて、今回はこの辺で。次回からは虚数の拡張:『複素数』についてお話しします。
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