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5-3 本能 R
ベッドの上で座った状態で後ろからハグされ、彼の体が背もたれの様に私を支えてくれている。
「彩音……」
彼はすっかり定番になった耳と首筋を攻めてくる。定番だけど慣れない。いつも体がよじれ声が漏れる。
「んっくすぐったい……」
後ろから右手をバスローブの中に差し込み、直接胸を触る。先端を指で摘んだり転がしながら首筋への攻撃も続ける。左手で頭を右に向けられ濃厚なキスをした。
体勢が変わるだけでこんなにも刺激に耐え難くなるだろうか。思わず顔を逸らそうとしても彼の手が頭を固定しそれを許さない。
胸を触っていた右手が下に伸びる。すでに潤っている場所の一番敏感な突起を攻めてくる。強い刺激に足や腰が動いてしまう。
「いやっ気持ちよすぎる……すぐダメになっちゃう」
「いいよ、イって」
私はいつもより時間を要さず達し、彼の体に項垂れた。彼はしばらく私を後ろから抱きかかえて頭を撫でてくれた。
私の呼吸が落ち着いたのを見計らって
「じゃあ違う体勢してみよっか」
「今のじゃないの」
「今のもそうだけどここからが本番。俺の上に乗ってみてよ」
と言って彼はベッドの真ん中で座って手を広げ「おいで」と言った。
彼の膝の上に乗ると
「俺の、手で持って自分で挿れてみて」
今まで彼のモノをはっきりと見たこともなければ手で触れたことも無い。戸惑っていると
「俺のことも知って欲しい」
といって私の手を彼のモノに触れさせた。直視は出来ないが持ってみるとこんな大きなモノが入っていた事実に驚いた。
「こんなに大きかったんだ」
彼は吹き出して
「他の人知らないくせに」
「それはそうなんだけど、本当に入るの」
「大丈夫。何度も入ってるから」
彼は寝転がって腰を動かし、入口に当てがい角度も調整してくれ「こっから先は彩音がして」と優しい声で言った。
私は覚悟を決めて腰を下ろす。ゆっくり、と思ったけどすんなり奥まで入り、大きく息を吐いた。ナカは喜んで彼を締め付けている。
「出来てるかな」
「うん、奥まで入ってるよ。じゃあ彩音のやり方で良いから動いてみてくれる」
「恥ずかしい……自分で動いて自分で気持ち良くなるのって」
「俺いつもやってるけど」
「ふふ、ごめんなさい」
私はぎこちない動きで前後に腰を振ってみた。出来ない。
「それも気持ちいいけど、上下に動いてみて」
その発想は無かった。言われたままやってみると確かに気持ちいい所に当たる。思わず彼の両手を握った。
恥ずかしくて顔は見られないけど手を握り返してくれる。気持ちよさに腰が止まり、また再開するを繰り返す。こんなの男性は喜ばないだろう。心が折れ、彼の体の上に倒れ込んだ。
「下手でごめんなさい」
「気持ちいいよ。初めてなんだから完璧じゃなくて当たり前。彩音を見上げるのも新鮮だし」
「光留はあんなに継続的に動けてすごい」
「本能、かな。彩音と一緒に気持ち良くなりたいっていう」
「その気持ちはあるのに」
「伝わってるよ。後は休んでて」
私が体を起こすのを待たず、器用に腰を動かし私の奥を穿つ。動くのに必死だったがこの体勢も気持ちいい。やはり自分には出来そうもない。
「あっ……あっ……あっ……」
だんだん動きが早く激しくなりそろそろ、という時に動きを止めて私の体を起こしそのままベッドの反対向きに押し倒した。
「最後は一緒に」
「うん」
深いキスを交わしながらいつも通り最深部まで突かれ二人で果てた。
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