1-2 友人からのプレゼント

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1-2 友人からのプレゼント

「彩音!お誕生日おめでとう!」    教室で授業の準備をしていると敦子が顔の前にプレゼントを差し出してきた。 「やだ敦子、びっくりさせないで。覚えてくれてたのね。ありがとう」 「ふふふ。バスソルトだよーん」 「嬉しい、大切に使わせてもらうね」    敦子の後ろから美園がひょこっと現れる。 「彩音、私からも。誕生日おめでとう。これ完全に私の趣味だけど」  美園が前の席に腰掛け、プレゼントを渡してくれた。 「ありがとう。香りもの?」 「うん。こないだ話したやつ」  美園は香りものに詳しく、香水を調合できるフレグランスショップに行って、その人のイメージや好みに合わせたものを作りプレゼントしていると話していた。素敵ね、と言ったところ好みを聞かれ、今度彩音のイメージで作ってみる!と熱く語っていた。 「嬉しい。早く匂ってみたいな。教室は迷惑になるからお昼テラス行こう」 「どういたしまして。気にいるといいけど」 「美園のセンスは信じてる。楽しみ」 「まあ自信作ですけど?」  3人同時に吹き出すと授業開始のチャイムが鳴り始めた。    授業後、学食で昼食をとったあと購買でスイーツを買い、屋外テラスでもらったプレゼントを開封した。  バスソルトは1回分使い切りサイズの詰め合わせ、香水はローズ系がベースの上品な香りだ。両方とても嬉しい。  二人の誕生日、どんなプレゼントが良いかな。  誕生日ケーキ代わりのスイーツを3人で食べ、ささやかな誕生日会は和やかに終わった。  午後の授業が終わり、下校する。登校は車で送ってもらうが、帰りは歩いて帰る事が多い。30分ほどの距離なので良い運動になる。  しかし今日は予定があるので車で迎えに来てもらった。浮つく気持ちを抑えながら何を着ていくか考える。  ドレスコードについては言われていないので、カジュアルでもかしこまった雰囲気でも大丈夫そうな葡萄色のシフォン生地のワンピースにした。  今は9月下旬で夜は大分涼しくなっているがこの服は5分袖なので一枚で大丈夫だろう。   靴とアクセサリーとバッグを選び、ヘアメイクを直していると兄から今から向かうと連絡があった。  屋敷のロビーに降りて待っているとすぐにやってきた。   「お待たせ」  彼は今日も仕事だっただろうに、黒い半袖のシャツにカーキのインナー、ベージュのワイドパンツというかなりカジュアルな格好で現れた。 「お仕事お疲れ様です、兄様。今日は楽しみにしていました。よろしくお願いします」 「気合入れてエスコートさせてもらうよ。じゃあ行ってくるね」 「いってらっしゃいませ」  後ろの使用人達がゆっくりお辞儀をしたのを見届けて屋敷を出た。
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