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8-3 想い(光瑠視点)R
シャンパンの香りが鼻をかすめる。
あの演奏は俺の事を想って弾いてくれていたらしい。愛しさが溢れて今すぐ押し倒してしまいたい。
しかし今日は疲れているだろうし、たくさん頑張ってきた本番が終わって気持ちの整理もあるだろう。ここは我慢すべきだ。
「もう少し飲むなら水持ってこようか」
顔を離し立ちあがろうとすると彼女が腕を掴んできた。
「ううん。側にいて」
俺がソファに座り直すと彼女は俺の肩に頭を預けてきた。
「花束も嬉しかった。どうして白いバラを選んでくれたの」
なんだか彼女の声がいつもより艶っぽくなっている気がする。
「ああ、花屋さんに花言葉を聞いてみたんだ。赤やピンクだと恋愛要素が強いからね。白は兄妹が贈っても違和感がない深い尊敬っていうのと、相思相愛とか恋愛関係の相手にも通じる言葉があるらしいから選んだんだ」
彼女はくすりと笑う。
「そう言う隙のないとこ光瑠らしいな。でも今は違う花言葉の気分」
「違う花言葉?」
彼女の方を向いて問いかける。
「あなたの色に染まりたい」
彼女は首に手を回し唇を押し付けてきた。活発に唇を動かし顔の角度を変える。
彼女はねっとりとした舌使いで、口を開かせて舌を差し込んでくる。彼女の方からこんなに積極的に仕掛けてくるのは初めてで、俺はすぐ下半身に欲望が芽生始める。
すると彼女はキスをしながら大きくなりつつある場所を撫でた。彼女から触ってくる事は初めてだったので驚いて顔を離す。
「ちょっ彩音?」
「なんかね、私のピアノが伝わったと思ったらもっと伝えたくなっちゃって」
彼女はゆっくりとした動作でソファー下のカーペットに膝をつき俺のズボンと下着を脱がせ、俺のモノをそっと手で包む。
その動きすら優雅で美しい。俺は驚きで身動きがとれず、彼女の一挙手一投足に釘付けになった。
「私の気持ち、受け取ってね」
微笑んで、俺の熱い場所に顔を埋め、それを口に含んだ。
「あやねっ……俺シャワーも浴びてないのに」
その言葉に反応せず黙々と口を動かす。
ナカとは違う彼女の口内。その温度と舌からもたらされる刺激と好きな相手に自分のモノを咥えられている光景。
それだけでもヤバイのに彼女は根元を手で擦り、先端を舌で刺激し、口を上下に動かす。
自分で入れた時はあんなに恥じらって苦戦していたのに。羞恥心が邪魔しただけでこの子は器用なんだな。
視覚と快感ですぐにでもイきそうだ。
「彩音……もう充分伝わったから一旦やめてくれる?初めてしてもらって口に出すのは嫌なんだ」
耐えきれず告げると、彼女はこちらをチラリと見て
「わかった。続きはまた今度」
と言って立ち上がった。
やれやれと思ったのも束の間、彼女は自分でスカートの下の下着を取り、ソファーに座る俺に跨る。
「ちょっと彩音」
「初めてじゃないことならいいでしょ?」
と蠱惑的な表情を見せ腰を浮かし、自ら俺のモノを自分に入れた。
「んっ……はぁっ……」
奥まで俺を飲み込むと彼女は一息ついて俺の肩に手を回ししがみついてくる。至近距離で俺の顔を覗き込み、にこりと妖艶な笑みを見せた。
ゆっくりと腰を振り始める。騎乗位をしたときはなかなか思うように動けなかったが今日の彼女は迷いなく腰を加速させている。
俺は背中に手を回し、彼女にされるがまま翻弄される。
花言葉でいうところの染められる側は俺だったのか。
快感で俺の腰も勝手に動き始め、二人の腰の動きが重なりより大きな快楽が押し寄せてきた。最後は深いキスを交わしながら二人で頂点上り詰め、精を放った。
荒い息をしながら、今しがた行われたことに心と頭の処理が追いつかない。彼女は俺に体を預けて肩で息をしながらぐったりしている。
これまでなんとなく憚られて彼女のものを舐めたことはなく、ぼやぼやしていたら先を越されてしまった。
挙句、初めてベッド以外の場所でしてしまった。彼女に主導される形で。
このままでは終われない。彼女がぐったりしているうちに仕掛けないと。
二人して着衣が乱れたまま、彼女を抱き上げ寝室に連れ込み全て脱がす。
まだ余韻から戻ってきてない彼女は呆然とされるがままになった。足を割り秘部を舐め上げる。
「やだっ……さっきしたばっかりなのにっ……」
事後の香りが残るその場所の敏感な突起を執拗に舌で攻めると彼女はあっけなく達し、体をビクビクさせている。
その動きによって中から俺の精と彼女の密がまざりあったものが出てきた。その光景に満足感と興奮を覚える。
目を瞑り肩で息をする彼女に容赦なくお互いの体液でぐしょぐしょになった場所に欲望の昂りを押し入れ、奥を穿つ。
「ああんっ……あっ……あっ……」
繕ったり恥じらったりする余裕もなく喘ぎ体をねじる彼女に更に気持ちが盛り上がる。最深部に押し付けるように腰を動かし、やがて2度目の熱を放った。
それでもまだプライドが満たされない。先週と同じよう彼女をひっくり返し、後ろから彼女を突いた。
「やだっ……そんなにしたら……」
「火を付けたのはそっちだよ。今夜は一滴も残さず、俺をあげる」
俺だってあの演奏を聴いて、彼女への想いが溢れている。もらった想いは返さないと。
その夜は体力の限り俺の愛を彼女に注いだ。
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