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11-2 待てない R
彼に抱き着くと、私の肩に顔をうずめてきた。
「久しぶりの彩音だ。やっと触れられる。顔を合わせてもこの手で抱けないなんて生殺しもいいとこだったよ」
顔をうずめたまま彼は呟く。
「ふふ。私もそうだった」
彼は私の耳や首筋に唇を這わせてきた。
「もうっ……くすぐったいってば」
私が体をねじらせて逃げようとすると彼は私を持ち上げてソファーに引き上げ、横向きに押し倒した。
このソファーの座面は広めだと思うが、二人で寝転ぶには幅がギリギリだ。
「彩音が欲しい」
彼は熱っぽい瞳で私を見下ろし濃厚なキスをしてシャツワンピースのボタンをはずし始めた。
「ちょっ……光瑠っ。やだこんなところで」
「こないだは自分からここでしたじゃない」
「だってあの時は……」
あの時は私が自由に動けたし、なんだか変なスイッチが入っていたので場所について何とも思わなかった。
彼が覆いかぶさっていて身動きが出来ない。
抗議しようとしても唇を塞がれ、頭を動かそうとしたら手で抱えられキスから逃れられない。
舌を絡めながらも手は容赦なくキャミソール越しに胸を探ってくる。
キャミソールとブラをたくし上げ胸を露わにし、胸の先端を口に含んだ。先程鍋を食べて汗をかいたのを思い出した。
「やだ、まだシャワーも浴びてない。さっき汗かいたのに」
「俺がそういった時やめてくれなかった」
それを言われると反論できない。手と口で胸を攻められ、体が動かせない代わりに彼の髪に指を絡める。
「ねえ、お願い。ベッドに連れて行って」
この狭く動ける範囲が制限されている場所で快感を与えられたら自分を保てなくなりそうだ。私は懇願する。
「待てない。今すぐ欲しい」
スキニーレギンスと下着を一気に脱がせて無造作にその辺へ置く。
言葉とは裏腹に彼を切望し、もうすでに濡れている場所に手が当てられた。彼は私の顔に視線を移す。
「恥ずかしい……」
抵抗しているくせにすっかり体はその気になっているのが知られて恥ずかしい。思わず顔を手で覆った。
彼はふっと笑って
「ごめん、余裕なくて。今すぐ彩音が欲しいんだ。このまましていい?」
私は覆っていた手の指の隙間から彼を見て頷いた。
何にせよ求められるのは嬉しい。それに今みたいな彼の言葉の呼吸のようなものも好きだ。素直に頷かせてくれる。
「ありがとう」
彼は微笑んで私の頭を撫でる。
その後、敏感な場所をゆっくりなぞったり敏感な突起をいじり、指を挿入してきた。
いつもより感じやすくこのままだとすぐに達してしまう。
「んっ……はぁっ……ねえ、もう入れて」
たまらなくなって思い彼にお願いする。
「彩音はすぐおねだりしてくるな」
私の頭を撫でながら微笑む。
「さっき待てないって言ってた」
「彩音に気持ちよくなってもらう時間ぐらい待てるよ」
「ソファー汚れちゃう」
「すぐ拭けば大丈夫だよ。今は集中して」
既に知り尽くされている私の一番感じる場所を攻め、私を絶頂に連れて行った。
余韻に浸る間もなく彼も下に着ていたものを脱ぎ、スムーズに私に侵入してきた。
「ん……彩音の中気持ち良すぎる」
念願の彼が入ってきて今日もきゅうきゅうと締め付ける。
「私も気持ちいい……すごく幸せ……」
いつもより胸が高鳴るのは動きが制限されているからだろうか。想いが通じて、枷もなくなったからだろうか。
「俺も。もっと彩音を感じたい」
彼がゆっくりと腰を動かし始める。私は快楽で体がよじれ座面から上半身がはみ出そうになった。
「落ちちゃうよ」
彼は私に優しく微笑みかけ、頭を抱え込んで位置を戻してくれた。そのまま深いキスをしながらまた彼は動き始めた。
私は必死にソファーから落ちない様に、快楽の波にさらわれない様に彼にしがみつく。固くてたくましい背中の感触に男性を感じ胸がときめく。
抽挿の動きを加速させ、激しく奥の気持ちいい所を幾度となく突いてくる。
「あっ……、あっ……、あっ……」
奥を突かれる毎に声が漏れ出る。
「んっ……彩音……っ」
最深部に精が放たれたのが感覚で分かる。ナカが喜んで吸収するように締め付ける。
二人ともしばらく動けず、狭い場所でつながったまま呼吸だけが広いリビングに響いていた。
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