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悲劇のヒロイン
「ねぇーー、聞いてる。お隣の澤村さんがね。私にうるさいって言ってきたのよ。でもね、仕方ないでしょ。美亜は産まれたばかりで、まだ小さいんだから。澤村さんは、夫婦二人だからわからないのよ。ねぇーー、パパ。私、悪い事してないよね」
いつからだろう。
妻である沙織の言葉が嘘だと知ったのは……。
それは、隣人の澤村瑞穂さんに声をかけた時だった。
先週、妻は澤村さんにゴミの出し方を酷く注意されたと言ってきた。
きちんと分別もしてる。
小さな子供を抱えながら必死で頑張っているのに、なぜ妻が怒られたのだ?
俺は、澤村さんに話しかけた。
そこで、澤村さんから返ってきた言葉は……。
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