3. 一億人の君

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3. 一億人の君

笑顔が最高のお洒落なら泣き顔はハダカなのだろうか 「気にしてない、大丈夫だよ」をI love youの代わりに誰か訳して欲しい 君は幽霊で触れられないし話せないそう思い込むことにしたんだ また君は信じるんだね黒猫が綺麗な声で歌ったという嘘を 吹き曝しの神経で生きている君が熟れた林檎を齧る夜の駅 君の家の坂はこんなにも急で鯨幕を揺らす風が鳴いてる 蕗の薹の味噌が苦いことなんて君は知らずに大人になって 春雨を啜る少女に秋桜の黄色をあげて走り去りたい
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