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「なあんだ。それならそうと言ってよ。急にいなくなるから、びっくりしちゃったよ。寂しいじゃんそんなの。だからそういうことはちゃんと言ってよ。急に消えたら心配しちゃうじゃん」
「お前は俺の事を心配するのか」
「そうだよ。ここで降りるならそう言ってくれれば、『またね』ってお別れの挨拶もできるじゃん。でも何も言ってくれなきゃできないでしょ」
「あ、ああ……、すまん」
「ううん。じゃ、またね」
翔太はそう挨拶すると、あっさりと身を翻して支線のホームへ降りる階段の方へ走っていった。そして階段を降りる前に一度振り返り、こっちに手を振って「またねー！」と大声を上げた。
拓弥は、階段を降りる翔太の姿が見えなくなるまでそこに立っていた。そして姿が見えなくなると、改札機にパスモを当てて改札を出た。
（続く）
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