(一)

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 拓弥は東部鉄道の東茂呂駅から電車に乗った。板戸駅で乗り換えて可和越駅で下車した。  その駅前から、この街の中心部、かつて可和越城があった方へは、サンロードという商店街が通っており、拓弥はその道を進んでいった。平日の昼ということもあり、人通りは多少あったが、混雑はしていなかった。  しばらく進み、路地を左折してすぐのところに雑居ビルがあり、そこの階段を上がっていった。  共用階段を二階に上がるとすぐ目の前にドアがあった。そしてそこには「フリアン・ドレッセ」と書かれたプレートが貼られていた。 (続く)
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