僕の手にはナイフ

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 死のうと思った 僕の頭は至って冷静だった。冷静な考えだ。 真夜中は死にたくなる時間です、と脳内は言う その通りだとその度に僕は思う そしてそれを実行しようとする僕の体がある  死のうと思う理由は何かと聞かれたら「全て」と答えるだろう。 積もり積もった日々のあれこれが大きくなってしまって僕を襲う、毎日そんな感じ。 毎日そんな感じなのになぜ死ねないのと聞かれるかもしれないけど、その場合僕は「迷惑」と答える。 死への罪は重い。僕はそれを知っている 僕が死ぬ事で誰かが悲しんだり僕に続いて死にたくなる人が出てしまうかもしれない恐怖。 それが怖い 僕のような人間はそれほど世界に必要とされていないけど、僕の中の小さな世界には数少ない友達や親が僕を必要としている。 恵まれてしまっているからこそ死ぬことに罪悪感を覚えないといけない。それなのにやはり死にたいのは誰の悪戯だろうか
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