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戸の開く音に目をやると、親。
起こしてしまった
見つかってしまった
死ねなくなってしまった
計画は台無し
親は無言でこちらに向かい包丁を僕の手から取り上げ、元の場所にしまう。
もう慣れているんだね ごめんね
僕が毎日死にたくなっちゃうから…
そして罪悪感で涙が再び止まらなくなる。
体は生きることを理解しダムの扉を開いたのだ
何も言わず抱きしめてくる親の手は暖かい
でも貴方のせいで僕の願いは叶わなかった。
親なら子供の願いを叶えてよ、殺してよ
なんて言えずに時間はすぎてゆく。
ひたすらに泣く僕とそれをただ見つめる親
ごめんなさいと口にする僕の背中をなでる親
「部屋に戻る」
落ち着いた僕はそう言って親に付き添われ部屋に戻る。結局死なずに寝るまでがセット
いつもごめんね、お母さん
そして明日も僕の手には
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