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<救難信号はこの島から出ています>
GY76の中緯度域にある島に私は降り立った。海岸の植生は私の背丈ほどのブッシュが主で、島の内部を探査するのもそれほど難しくなさそうだった。
「ノーウ。エードォ。レトは海岸線を回って人がいるかの手がかりを探してきて、残りは私と一緒に島を探索」
<はい>
六体のアンドロイドたちに指示してから、私はブッシュの中に足を踏み入れた。
なるべく植生を傷つけないように進んでいく。宇宙服と同等の規格で作られた探査スーツは少し重かったが、その重さは何かにふわついている私の体をしっかりと地面に結びつけていた。
<お気をつけください。アゲハ様>
先を行くイセが低い崖の上から手を差し出してきた。私はその手につかまって、崖をよじ登る。
そして……。
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