電柱マン

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一方的に誰かを殴り続けている男がいた。 それも無言でだ。 速く止めないと殴られている人が危険だと判断した僕は、走りだし叫んだ。 「何ばしようとや、やり過ぎやが、やめろ」 近付くと、男が攻撃していたのは電柱だった。 僕はその男に心の中で電柱マンと名前をつけた。 なんだ、酔っ払いが電柱を殴っていたのか、ビックリしたよ、電柱なんか殴ったら手の骨折っちゃうよ 電柱マン、もう止めときな。 そう言葉をかけようと思ったがよく見ると電柱マン はパンチもキックも寸止めだった。 「わかった、電柱ば殴ったら痛かったけん、寸止め攻撃しよるとばい電柱マン」 面白いので見物していたら、酔っ払いではないことに気が付いた。 どうやら電柱マンは本気で電柱と戦っている人だ。 「鍛えた人のパンチとキックやったけん、人が殴られていると勘違いしたとやが、電柱と戦って何ばしようとやろう」 声をかけずにはいられません。 「電柱となぜ戦っているの」 「地域の平和を守っているんだ」 本気だ、電柱マンは痛いから寸止めで電柱と戦い 地域の平和を守っている人だ。 どうやら、この地域の平和はお巡りさんと電柱マン が守っているようです。 近所の人に不審者と間違われて、通報されないことを祈ります。 「電柱マンはなして地域の平和ばまもりよると」 「私は正義の味方だからさ」 頑張れ、僕らの電柱マン。
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