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会社帰り
「占ってもらうんじゃなかった。何だよ、あの占い師」
入った時の勢いとは裏腹に、背中が寂しかった。
夜空で輝く月が、関わりたくないと言わんばかりに雲へと隠れていく。
会社から帰宅途中の僕は、自宅最寄り駅の近くにある占いの館に立ち寄った。
「あの人と結ばれたいな」
そんな軽い気持ちで占ってもらったが、その結果が最悪だった。
おまけに代金五千円も取られたからたまったものじゃない。
「嫌で残業させられて、聞きたくない運命も聞かされて、本当についてないわ」
僕は自責の念に駆られていた。
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