秘密

午前の仕事

次の日。
仕事中にも関わらず、僕は占いの結果を引きづっていた。

「佐伯、この資料まだ整理できてないじゃないか」

「すいません。今からやります」

「佐伯、さっき頼んだ比較表の作成は？」

「すいません。こっちが片付いたらやります」

「早く頼むよ」

「はい、すいません」

ミスしてばかりで、仕事が全然はかどらない。
新入社員だから、こきつかわれるのは仕方がない。
だけど、気分がのらない時の雑務命令は残業よりも辛かった。

遠くでは、冴子さんが直属の部下に指示を出し、凛々しく立ち振る舞っている。
自分自身が情けなく思える。
正直ここから抜け出したかった。