迷子になって、泣いてる女の子を発見したら

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――迷子になって、泣いてる女の子を発見した。  幼稚園に通っていた頃の私だったら、この子の隣で、一緒に泣いていたのだろう。  小学生の私だったら、女の子の手を引いて、交番へ連れて行ってあげたのだろう。  中学生になった私だったら、女の子の家まで連れて行ってあげて、高校生の私だったら、家まで連れて行ってから「親としての自覚はないのか」と、女の子の両親を説教していた。  大学生の私だったら、女の子が喜びそうなお店に連れて行き、社会人になった私だったら、人目(ひとめ)の触れないどこかに閉じ込める。  結婚していた私だったら、妻や家族を説得し、我が子として育てることにして、離婚した当時の私だったら、女の子を押し倒し、自分の妻にしていたのかもしれない。 「うえーん」  老いた私は返り討ちにあって、護身用のスプレーで両目を潰された。 ――あぁ、私はどこかで間違えた。  人生の迷子になった私は、警察が発見してくれるのを待つしかなかった。 【了】  040b6133-28bb-4987-b0b3-d11000a1579d
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