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2023/10/10(火)
会社からの帰り道。
夕陽の輝きも落ち着き、両側に立ち並ぶ見事な銀杏の木々の間を爽やかな風が抜けていく。
少し肌を刺す風に誘われて空を見上げた。
あぁ、いわし雲。
あぁいわし雲、いわし雲。
なんて阿呆らしい句を頭で詠み、短い秋を感じて自転車で駆け抜けると。
「違うよ、あれひつじ雲でしょ」
背後で聞こえた軽やかな女子高生の笑い声に、浮かんだ照れ笑いを隠そうと真顔で正面に向き直った。
そっか。
あの空は、ひつじ雲だったのか。
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