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2024/8/12(月)
祖父母の細い腕を見て、泣きたくなった。
記憶の中にある元気な祖父母の姿を次々と思い出し、空の布団を見つめる。
そう遠くない過去のことだ。
父方の祖父が亡くなった朝。
手にした祖父の手のひらから温もりが引く波のように感じられて泣いてしまったことを、未だに定期的に思い出す。
大事な人から生の温もりが抜けていく感覚を、これから私はどれほど体験していくのだろうか。
そんなことを考えると、「じゃあ自分が先に」なんて考えてしまうのだけれど、祖父母に「事故には気を付けるんよ」と心配する言葉を掛けられると、大事な人を悲しませたくないな、と思って自死を思いとどまる。
きっと私は、そんなことを何度も繰り返していくんだ。そうして私の最期には誰も居なくなっていることに、その時の私はどう想うのだろう。
私は私が大事にしたい人たち全員に、この世に置いていかれるんだ。
祖父母の軽くなった身体をみたあと。
独りになった車中で涙が出た。
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