第1話 オリジン

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 外は暗かった。  今日の見回り担当は俺。  (オオカミ)がうろつく田舎の夜道。  つい最近行方不明になった子がいるとかなんとかで、満月の優しい光の中、ひそひそと歩いていた。 「暗いね。怖いね。最悪だね」  隣で和猫(かずこ)が呟く。  彼女は少しおかしな美女だ。容姿端麗なのに、話すことがいちいちどこか抜けている。 「見て見て。あの満月、満月みたいだね」 「満月だから満月だろ」  とほほ。  いつものことだ。  このやり取りのおかげで暗い夜道も寂しくはなかった。  だけど──。 「ねね、紅狼(くろう)くん(オオカミ)に噛まれてるよ。痛くないの? 絶対痛いよね」 「は?」  冗談だと思った。  だけど思い出す。和猫(かずこ)は嘘をつかない。  思ったことを、目で見たままのことを、彼女なりにおかしさを付け加えて発言する。  なんでかはわからないけど、俺は脚を(オオカミ)に噛まれていた。  ~作者のコメント~  こんにちは! 「えすこめ」こと、エース皇命(こうめい)です!  まずは読んでくださり、ありがとうございます。  早速わけのわからないコメディ展開。  ですが、けっこうシリアスな部分もあるので、純粋なヒーローものとしても、コメディとしてもお楽しみくださいな。  続きが気になったら、ぜひ本棚登録、えすこめのフォロー、よろしくお願いします。  これからもどんどん面白い小説を書いていきます。  以上!  エース皇命でした!  
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