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外は暗かった。
今日の見回り担当は俺。
狼がうろつく田舎の夜道。
つい最近行方不明になった子がいるとかなんとかで、満月の優しい光の中、ひそひそと歩いていた。
「暗いね。怖いね。最悪だね」
隣で和猫が呟く。
彼女は少しおかしな美女だ。容姿端麗なのに、話すことがいちいちどこか抜けている。
「見て見て。あの満月、満月みたいだね」
「満月だから満月だろ」
とほほ。
いつものことだ。
このやり取りのおかげで暗い夜道も寂しくはなかった。
だけど──。
「ねね、紅狼くん狼に噛まれてるよ。痛くないの? 絶対痛いよね」
「は?」
冗談だと思った。
だけど思い出す。和猫は嘘をつかない。
思ったことを、目で見たままのことを、彼女なりにおかしさを付け加えて発言する。
なんでかはわからないけど、俺は脚を狼に噛まれていた。
~作者のコメント~
こんにちは! 「えすこめ」こと、エース皇命です!
まずは読んでくださり、ありがとうございます。
早速わけのわからないコメディ展開。
ですが、けっこうシリアスな部分もあるので、純粋なヒーローものとしても、コメディとしてもお楽しみくださいな。
続きが気になったら、ぜひ本棚登録、えすこめのフォロー、よろしくお願いします。
これからもどんどん面白い小説を書いていきます。
以上!
エース皇命でした!
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