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「家業」っていうモノがある。
この小さく古い街には、まだそんなモノが存在していた。
空襲とかで焼かれるのを、ギリギリ免れた。そんなような街には。
前の戦争では、「本土決戦の最終地」とかだったって。
陸軍の飛行場があってさ、重要施設や軍需工場も疎開してきてた。
だからこの辺り一帯は、その後も、意外にいろんなところから人がやってきては棲みついていて。
そんな流動的な一面もあったりはするんだけど。でもたぶん。
本質は変わってない。
まだなにも――
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