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【読んでも読まなくてもいい小話】
忘れるって、残される側にとっては本当に残酷な仕打ちだなって思います。
でもそれはきっと、忘れる側だって同じなんです。
ハムレットは凄く長生きしましたが、晩年は認知症で記憶が消えていきました。その過程は、とても苦しかったと思います。
頭のいい人で医者です。自分の未来は想像できたんです。だからこそ怖かったと思います。大事な言葉滑り落ちるように消えていくんですから。
そして徐々に、忘れて行く事すら分からなくなるんですから。
それでも、チェルルは側にいました。覚えていなくても側にいました。
不安にさせないように涙も見せずに頑張ったんです。全部、飲み込みました。
だからこそ覚えていたことに泣いたんです。それはもう、胸が潰れてしまいそうなほど泣いたんです。
亡くなるまでの短い時間でしたが、二人はちゃんと夫婦に戻れたと思います。
来世ではハムレットはお医者様で第二性科(バース科)の医師でエリオットと同僚。バースはαです。
そしてチェルルは田舎出身で孤児院育ちの不完全なΩで、最初は記憶もありません。変な夢を見るなと思っています。
それでも優秀だった彼は学校の推薦や奨学金もあって大学に進学し、そこで番調査をしてもらうことでハムレットと再会し、全ての記憶が戻る感じです。
ヒートの来ない不安定なΩですが、再会後は幸せに生きる事になります。
そんな来世のちゃんとしたお話を早く書きたいなと思います。
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