【オスカル&エリオット】老いの幸せ

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◇◆◇  ふと暖かな場所で目を覚ましたオスカルは、見下ろしているエリオットに微笑みかけた。懐かしい膝枕だ。 「やぁ、エリオット。お待たせ」 「待っていませんよ。安心しました」 「もぉ、僕の言葉を疑ったの? 幸せに生きるよって言ったじゃない」  少しむくれたように言ったら、彼は楽しそうにくすくす笑う。唇にほんの少し指が触れる、彼の癖もそのままだ。 「それでも、心配はしたんです。貴方は寂しがり屋だから」 「……寂しかったよ、少しだけ。美味しい物を食べる時とか、楽しい時とか。君とこの時を、この味を共有したいなって思った」  伝えたら、やっぱり哀しそうな顔をする。でも、オスカルは笑った。 「代わりに、子供達と共有した。思い出話をして、一緒に笑った。そこには見えないけれど、きっと君もいると思って」 「はい」  ほんの少し涙を流す彼の頬を撫でる。不思議と若い頃……多分騎士団にいた頃と変わらない感じがした。 「それでは、逝きましょうか?」 「そうだね。そういえば、あっちにファウストとかいた?」 「いえ、見ていませんね。クラウルとは会ったのですが」 「そっか……あいつ、どこフラフラしてるんだろう」  ふわりと真っ白な明かりが近づいてきて、やがて飲まれていく。そうすると本当に、色んな事から解き放たれた感じがした。 「ねぇ、エリオット」 「はい?」 「次の世でもさ……」  僕の、お嫁さんになってくれる? Fin
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