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月夜に出逢った不思議な女
「工藤!お前、俺の彼女を取っただろ。」
緑色に髪を染めた男は俺を見ると、いきなり手を出してくる。
パシッと片手で手首を掴み、反時計に腕を捻り身体ごと倒す。
倒れる前に足を出したら、間抜けな事に引っかかったんだよな。
「痛えーーー、何するんだよ!」
涙目になる男は睨みながら喚く。
あーーーうるせえ。
喚いている男を軽蔑な眼差しで見る。
「あのですね、俺、まだ中学二年生でケバい女には興味が無いんですよ?それを勝手に取ったなんて心外なんですけど。」
ぱっと掴んだ手首を離して、ついでに脛を蹴る。
「お前なー!」
痛むのか蹴られた脛を擦りながら俺を睨む。
よえー奴。
俺、中学生だぞ。
彼女って、あのケバい女だろ?
緑色に染めている男は、地元じゃあ有名な暴走族に入っているらしく噂になっていた。
なんだっけ、黒なんとか。
知らんけど。
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