【安心する場所】

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【安心する場所】

「ただいま〜、はぁ……疲れたぁ」 「お疲れ様」 この時期の外回りも大変だろうけど、ずっと冷房の効いた所での作業も結構きついものがあるよな……と思いながらも何とか今日も一日、トラブルもなく乗り切り俺は、定時より少しだけ時間を過ぎて帰宅した。 「ありがとな。お前の『お疲れ様』を聞くと一日の疲れが吹っ飛ぶよ」 「ふふっ。ありがと」 まぁ実際疲れが無くなる訳では無いけど、帰ってきて愛する人がいるのといないのとじゃ、疲れの軽減さが違うよなって事。 「なぁ……ぎゅーってしていいか?」 「今はダメ」 「少しくらいいいだろ? ほら一旦こうして火を止めればいい」 彼女が夕飯を作ってたのは玄関を入った時に分かったけど、何だか急に抱きしめたくなったんだよ。火が付いてるからダメだって言われたけど、どうしてもハグしたかった俺は、火を一旦止めて彼女を数十秒抱きしめた。 「はい、終わり〜! 着替えてきてね」 「わかった」 三十秒も経ってなかったと思うけど、彼女が終わりだと言いながら腕から抜け出た。着替えてきてと言う彼女に頷き、今度は額にキスをして寝室へと着替えに来た。 部屋着に着替えながら、自分はなんて幸せなんだろうと改めて思い、リビングへと戻ってきた。 「二人だけも幸せだけど、近い将来三人……いや四人も幸せだろうな」 「ん? 何か言った?」 「いや何でもない」 「そ? もうすぐ出来るからご飯よそってくれる?」 「ああ」 リビングに入り無意識に呟いていた。彼女には聞こえてなかったみたいだけど……なんでもないと告げ、ご飯をよそってと言った彼女に返事をし、俺と彼女のご飯をよそい、肉じゃがが出されるのを待ったのだった
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