後輩くんに壁ドンで告られる①ルーズな男は嫌い

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「それにしてもすごいファッションだね」 「ええ。先輩と一緒に初詣ですから当然です。それにてっきり先輩も着物で来ると思ったので」  紋付き袴の男なんて成人式以来だ。細身の身体。そして細面の黒髪に黒い和装がキリッと決まっていて、ちょっとカッコいい…かもしれない。でも約束の時間に大幅に遅れたのはマイナスだ。 「あのさ。四十二分も遅れて来てそれはないんじゃない?まず遅れたことを謝るのが先でしょう」 「四十二分もって…その二分の部分がきっちりしてる先輩らしいというか。細かいというか」 「ルーズな男は嫌いなんだ」 「そんなに細かいと男に嫌われる…」 「何か言った?」  横を向いてボソッとつぶやいても、きっちり聞こえてる。
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