後輩くんに壁ドンで告られる②チャラい男は大嫌い

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後輩くんに壁ドンで告られる②チャラい男は大嫌い

「ところでほかの人は?先輩、知り合いを連れて来るって…」 「急に都合が悪くなったのよ」  失恋の傷の痛みを慰め合うはずが、その友人は勝手によりを戻してしまい「わたし、初詣は彼と行くことになったから」とか言って元サヤに収まった。裏切り者め。 「それできみの友人はどこいいるの?」 「それが急に都合が悪くなりました」 「は?」 「俺と先輩だけですね」 「…帰る」  冗談じゃない。二人っきりで初詣に行くほど黒崎くんと親しくないし、もしも知り合いの誰かに目撃されて勘違いされたら面倒くさい。  クルッと踵を返して立ち去ろうとしたわたしの手が、後ろからハシッと掴まれた。 「待って先輩…」 「あ…」 「あっ」  小さな声が重なり、二人とも凍りつく。 「す、すみません」  掴んた手をパッと放し、彼はその手でばつが悪そうに頭を掻いた。  手を…握られた。その温かい感触が残っている。動揺を隠し、わたしはあえて冷たい声を出した。 「だって黒崎くんと二人だけじゃあ…ね。誰かに見られて勘違いされるのはきみも嫌でしょ」 「俺は…かまわない」 「えっ」 「いや、あの、せっかくだから俺たちだけで行きませんか?」
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